
| 名称 | ケーリュケイオン(カドゥケウス) |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ヘルメス |
| 製作者 | 不明 |
| 形状 | 二頭の蛇が巻き付いた杖 |
| 主な能力 | 人間を眠りに誘う 異界と自由に行き来する 亡くなった人間を冥界へ案内する |
ケーリュケイオン(カドゥケウス)はギリシャ神話に出てくる伝令の神・ヘルメスの武器です。
まいケーリュケイオン(カドゥケウス)は異界の扉を開く魔法の杖で、伝令の神としては必須のアイテムでした
ヘルメスは杖・ケーリュケイオン(カドゥケウス)だけでなく、切れ味の鋭いハルパーや、翼のついたサンダル・タラリア、翼のある帽子・ペタソスなど多くのアイテムを所有していました。
以下でケーリュケイオン(カドゥケウス)について詳しく解説していきます。
ケーリュケイオン(カドゥケウス)誕生秘話
ケーリュケイオン(カドゥケウス)の製作者は不明です。
ただし、もともとケーリュケイオン(カドゥケウス)は太陽神・アポロンの持ち物でした。
金の矢を武器とするアポロン


最高神・ゼウスと巨人アトラスの娘・マイアの子供として生まれたヘルメスは、生後間もない赤ちゃんでありながら兄神・アポロンの牛を50頭も盗みます。
ヘルメスは牛を後ろ向きに歩かせたり証拠を隠滅しますが、信託の神アポロンはヘルメスが犯人だと気が付き激怒。
アポロンはヘルメスを責めますが、「赤ちゃんの自分にできるわけがない」と知らんぷりをします。
そのままゼウスの前に出されてもしらばっくれるヘルメスに泥棒と嘘の才能があることに気づいたゼウスは、アポロンに牛を返すように勧めました。
ヘルメスは仕方なく牛を返しますが、怒りの収まらないアポロン。
するとヘルメスは洞穴で捕まえた亀の甲羅に羊の腸を張って作った竪琴を奏でました。
音楽の神でもあるアポロンは、竪琴の美しい音色を気に入って牛と竪琴を交換。



これ以降、竪琴はアポロンの象徴の一つとして描かれています


さらにヘルメスが葦笛を作ると、アポロンはこれも気に入ってケーリュケイオン(カドゥケウス)と交換しました。
このときのケーリュケイオン(カドゥケウス)は牛追いで使う黄金の魔法の杖だったのですが、後にヘルメスが喧嘩を仲裁した2匹の蛇が巻き付いたことで完成したという説が有名です。



医神アスクレピオスの「アスクレピオスの杖(蛇が1匹巻き付いた杖)」と似ていますが、デザインも意味も全く別物です
ケーリュケイオン(カドゥケウス)の能力
ケーリュケイオン(カドゥケウス)の能力はこちらです。
- 人間を眠りに誘う
- 異界と自由に行き来する
- 亡くなった人間を冥界へ案内する
ヘルメスは伝令の神と言われていますが、ケーリュケイオン(カドゥケウス)の能力によって地上、天界、冥界を自由に行き来できたと言われています。
ほかにも、人間を眠らせる能力もあったそうです。
死期が訪れた人間の頭に杖を当てて眠らせると、冥界まで案内してくれるのもヘルメスの仕事と言われています。



杖に巻きついた蛇は「無限の力」を象徴していると言われます
ギリシャ神話の武器の中でも優秀な魔法の杖は、格付けすると何位にランクインするのでしょうか?
気になる順位はギリシャ神話の最強武器ランキングの記事で発表していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
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ケーリュケイオン(カドゥケウス)の所有者はヘルメス


Hermes
ケーリュケイオン(カドゥケウス)の所有者は伝令の神ヘルメスです。
「ケーリュケイオン(カドゥケウス)誕生秘話」にもまとめましたが、もともとは太陽神アポロンのものでした。
竪琴や葦笛と交換した後はヘルメスのものとなり、喧嘩を仲裁した蛇が巻き付いたことで完全な形になったとも言われています。



蛇の仲裁については、ヘルメスが仲裁も司っていたことから平和・和解を象徴したエピソードとして知られています
ギリシャ神話の神々の関係性(家系図)や、武器との関連については「【武器で読み解く】ギリシャ神話の家系図!オリュンポス12神と英雄の神器を解説」で詳しく解説しています。
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ケーリュケイオン(カドゥケウス)にまつわる神話


ケーリュケイオン(カドゥケウス)にまつわる神話をまとめました。
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盗んだ牛と交換してアポロンから譲り受けた


「ケーリュケイオン(カドゥケウス)誕生秘話」にもまとめましたが、ヘルメスは太陽神アポロンからケーリュケイオン(カドゥケウス)を譲り受けました。
赤ちゃんの身で兄神アポロンから50匹もの牛を盗んだヘルメス。
偽装工作をしますが、信託の神アポロンは犯人がヘルメスだと突き止めます。
激怒するアポロンですが、ヘルメスは知らんぷりを決め込んで、ゼウスの前でもシラを切るのでした。
ゼウスはヘルメスの泥棒と嘘の才能を認めつつも、アポロンに牛を返すことを進言します。
大人しくヘルメスは牛を返しますが、アポロンの怒りは治りません。
そこでヘルメスは洞穴で捕まえた亀の甲羅に羊の腸を張って作った竪琴を奏でました。
すると音楽の神でもあるアポロンは、竪琴の美しい音色を気に入って牛と竪琴を交換。
さらに葦笛も作ると喜んで欲しがり、ケーリュケイオン(カドゥケウス)の杖と交換しました。
このときのケーリュケイオン(カドゥケウス)は牛追いで使う黄金の魔法の杖でした。
しかし、後にヘルメスが喧嘩を仲裁した2匹の蛇が巻き付いたことで完成したという説が有名です。


人間を眠らせて魂を冥界へ案内する


ケーリュケイオン(カドゥケウス)には人間の頭に当てると眠らせたり、目覚めさせる能力があります。
ヘルメスはケーリュケイオン(カドゥケウス)の能力を用いて、死にゆく人に穏やかな眠りを与えて、冥界まで迷わずに進めるように案内する役割を持っていました。


Hades and Persephone, the Olympian gods of the Underworld discuss with Mercury.(1878年)
有名な叙情詩「オデュッセイア」の最後では、ヘルメスがケーリュケイオン(カドゥケウス)を使って求婚者たちを冥界へ導くシーンが描かれています。
百目の巨人アルゴスを眠らせて討伐


Hermes Io Argos Staatliche Antikensammlungen
ヘラの神職についていたイオを見染めたゼウスは、妻のヘラに隠れてイオと交わります。
密通がバレそうになったゼウスはイオを牝牛の姿に変えて誤魔化そうとしますが、ゼウスの嘘を見抜いて牝牛を貰い受けたヘラ。
目が100個ある巨人アルゴスに牝牛を見張らせることにしました。
アルゴスの目は順番に眠るので、本体は常に起きていると言われています。
イオを心配したゼウスに命じられ、ヘルメスはケーリュケイオン(カドゥケウス)(または笛)でアルゴスを眠らせてハルパーで首をはねてイオを無事助け出しました。
ケーリュケイオン(カドゥケウス)が現代作品に与える影響


ケーリュケイオン(カドゥケウス)は特徴的なデザインから、シンボルマークとしてよく使用されています。
ただし、「アスクレピオスの杖(蛇が1匹巻き付いた杖)」と混同して使用されるケースもありますが、両者は全くの別物です。
| 項目 | ![]() ![]() アスクレピオスの杖 | ![]() ![]() ケーリュケイオン |
|---|---|---|
| 意味 | 医術、再生のシンボル | 商業、仲裁のシンボル |
| 形状 | 蛇が1匹巻き付いている | 蛇が2匹巻きつき、 翼がついている |
| 能力 | 特になし | 異界への行き来を可能にする |



ケーリュケイオンは商業高校の校章や、会計・通称の関連する機関のロゴとしても使用されています
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