
| 名称 | 隠れ兜(キュネエー) |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ハデス |
| 製作者 | キュクロプス三兄弟 |
| 形状 | 黒い兜 |
| 主な能力 | かぶったものの姿を消す |
隠れ兜(キュネエー)はギリシャ神話に出てくる冥王ハデスの武器です。
まい隠れ兜(キュネエー)はハデスの武器ですが、ヘルメスやアテネ、神話の英雄に貸し出されることが多かった武器です
以下で隠れ兜(キュネエー)について詳しく解説していきます。
隠れ兜(キュネエー)誕生秘話
隠れ兜(キュネエー)はギリシャ神話に登場する武器です。
隠れ兜(キュネエー)の製作者はキュクロプス三兄弟と言われています。
ゼウスたちによってタルタロスから開放してもらったお礼として、ゼウスには雷霆(ケラウノス)、ポセイドンにはトライデント(三叉の鉾)、ハデスには隠れ兜(キュネエー)を献上したと言われています。


キュクロプス三兄弟とは
- 嵐の精
- 天空神ウラノスと大地母神ガイアの息子たち
- アルゲース(落雷)、ステロペース(電光)、ブロンテース(雷鳴)の3兄弟
- ウラノスに嫌われてタルタロスに落とされていた
- ティタノマキアでゼウスによって解放される
形状は黒い兜で、犬の皮などで作られたそうです。



神々の目をも盗める、すぐれた防具なんです
隠れ兜(キュネエー)の能力


隠れ兜(キュネエー)の能力はその名の通り、被ったものの姿を消します。
たとえ相手が神であっても能力が発揮されるので、トロイア戦争ではアテネが被って参戦したときも軍神アレスに対して有利に戦いを進められました。
神々の戦い「ティタノマキア」「ギガントマキア」でも使用されました。
「ティタノマキア」「ギガントマキア」とは



ティタノマキアは覇権をかけたティタン神族とオリュンポス神族の戦いです





ギガントマキアはガイアの子供ギガースとオリュンポス神族の戦いです
英雄ヘラクレスが大活躍した戦いです





たびたび神話の戦いの重要な局面を左右するアイテムとして登場しています(ハデスの出番は少なめ)
戦況を大きく変える威力を持つ隠れ兜(キュネエー)ですが、格付けするとは何位にランクインするのでしょうか?
気になる順位はギリシャ神話の最強武器ランキングの記事で発表していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
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隠れ兜(キュネエー)の所有者はハデス
隠れ兜(キュネエー)の所有者は冥王ハデスです。


ただしギリシャ神話ではしばしばヘルメスやアテネ、英雄ペルセウスが隠れ兜を利用しています。
かぶるものの姿を消す、という能力が「姿を消して奇襲をかける」ための切り札として重要な局面で登場していました。



とくに英雄ペルセウスのメデューサ退治では不可欠なアイテムとして描かれています
ハデスとゼウスの関係性やギリシャ神話の神々の家系図、武器との関連については「【武器で読み解く】ギリシャ神話の家系図!オリュンポス12神と英雄の神器を解説」で詳しく解説しています。
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隠れ兜(キュネエー)にまつわる神話


Perseus with the Head of Medusa(1804年)
隠れ兜(キュネエー)にまつわる神話をまとめました。
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「ティタノマキア」「ギガントマキア」とは



ティタノマキアは覇権をかけたティタン神族とオリュンポス神族の戦いです





ギガントマキアはガイアの子供ギガースとオリュンポス神族の戦いです
英雄ヘラクレスが大活躍した戦いです


ティタノマキアの中で生まれた


ヤーコブ・ヨルダーンス(1636年)
隠れ兜(キュネエー)は10年にも及ぶティタノマキアの最中に誕生しました。
ゼウス率いるオリュンポスの神々と、クロノス率いる巨神族ティタンが王権をかけて争った戦いをティタノマキアと呼びます。


不死の神々の戦いであるティタノマキアは壮大で、10年経っても膠着状態でした。
ゼウスは祖母のガイアにアドバイスを求め、タルタロスに幽閉されている怪物を解放することにしました。
タルタロスに幽閉されている怪物
- キュプロクス:一つ目で鍛治の名手
- ヘカトンケイル:100本の腕と50本の首を持つ
神酒・ネクタルと神食・アンブロシアを与えられた怪物たちは力を取り戻し、ゼウスに協力すると約束しました。


キュプロクスは礼としてゼウスに雷霆(ケラウノス)、ポセイドンに三叉の鉾(トライデント)、ハデスに隠れ兜を献上。
大きな力を手に入れたゼウスは雷霆(ケラウノス)と、ヘカトンケイルの絶え間ない投石によってティタノマキアに勝利しました。



ハデスも隠れ兜(キュネエー)をかぶって武器を奪ったり、不意を突いて活躍しました
ギガントマキアではヘルメスに貸し出された


The Battle of the Gods and Giants(17世紀)
神々の戦い「ギガントマキア」には冥王ハデスは参加していませんでした。



ギガントマキアはティタノマキアで負けたガイアの子供たちティタン神族を、ゼウスがタルタロスに閉じ込めたことに怒ったガイアが起こした戦争です
しかし伝令の神ヘルメスに隠れ兜(キュネエー)を貸したと言われています。
冥王ハデスの隠れ兜(キュネエー)を被ったヘルメスは、巨人ヒッポリュトスを倒すのにハルパーを使って不意打ちしました。
ギガースは神々ではとどめをさせないので、最後は英雄ヘラクレスが仕留めました。
最高神ゼウスと人間の子供





ヘラクレスは人間ですが、最強の毒矢・ヒュドラの毒矢や、鎧よりも強いメネアの獅子の毛皮を身につけて戦いました
英雄ペルセウスのメデューサ退治で活躍


Perseus med Medusahuvudet(17世紀)
英雄ペルセウスがメデューサを退治するときには、伝令の神ヘルメスがハルパーやタラリア(翼がついたサンダル)ハデスの隠れ兜を貸出しました。
メデューサとはゴーゴン三姉妹の末っ子で、毒蛇の髪の毛を持ち、イノシシの歯と青銅の腕、鱗の肌を持ち、その醜さで見た者を石にしてしまう怪物です。


ペルセウスはアテナに借りた青銅の盾にメデューサを反射させて確認しながら、隠れ兜(キュネエー)で姿を隠しながら近づきました。
そしてハルパーをメデューサの首にかけて引き、無事に首を落とすことに成功したペルセウス。
メデューサがやられたことに気がついたゴーゴン姉妹は急いでペルセウスを探しますが、隠れ兜(キュネエー)をかぶっていたので無事に逃げることができました。
首を故郷へ持ち帰る途中で、ペルセウスは海辺の岩場に鎖で縛り付けられた美少女アンドロメダを見つけます。


Andromede(1936年)
母親の不敬な発言「自分は神々より美しい」によって海の神ポセイドンの怒りを買ったため、アンドロメダは生贄として海の怪物に捧げられていたのでした。
ペルセウスはそんなアンドロメダを助けるためにハルパーで鎖を切り、怪物を倒しました。
その後、ペルセウスはアンドロメダを見捨てながら助けた途端に言い寄ってきた元婚約者をメデューサの首を持って石に変え、一緒に故郷へ帰りました。
メデューサの首を献上されたアテナは、自分のアイギスの盾にはめ込んで最強の盾にしたそうです。


トロイア戦争ではアテネが被って参戦した


The Combat of Ares and Athena(1771年)
パリスの審判によって人間界で始まったトロイア戦争ですが、発端には神々も関わっていたので、多くの神がトロイア側とギリシャ側に分かれて参戦していました。
「パリスの審判」とは
海の女神テティスと人間のペーレウスの結婚式には神々がたくさん招かれていましたが、不和の女神エリスだけが呼ばれていませんでした。
怒ったエリスは宴の会場に「最も美しい女神へ」と書いた黄金のリンゴを一つ投げ入れます。


このリンゴを求めて3人の女神が立候補しますが、誰を選んでも揉めるので選ぶ権利をパリスに委ねました。
そこで3人は、パリスにそれぞれ自分を選んだら褒美を出すと言います。
- ゼウスの正妻ヘラ:世界の覇権
- 知恵と戦いの女神アテナ:全ての戦いで勝つ
- 愛と美の女神アフロディーテ:世界一の美女
パリスはアフロディーテを選び、黄金のリンゴを渡しました。


El juicio de Paris.(1781年)
アフロディーテは喜び、エロースの金の矢に世界一の美女ヘレネ(スパルタの王妃)を射らせます。


パリスとヘレネは恋に落ち、トロイアに駆け落ち。
怒ったスパルタ王はヘレネ奪還のためにギリシャ連合軍でトロイアに攻め入り、トロイア戦争が勃発しました。
トロイア戦争でアフロディーテの味方としてトロイア側についた軍神アレス。
最高神ゼウスと正妻ヘラの息子


知恵と戦いの女神でアレスの姉アテナはギリシャ側についていました。
メデューサの首がはめられた
最強の盾アイギスの盾を持つアテナ


ギリシャの英雄ディオメデスが軍神アレスと対峙すると、女神アテナはディオメデスを助けるために隠れ兜(キュネエー)をかぶって姿を消します。
姿を隠したアテナは、ディオメデスが投げた槍の軌道を導いてアレスの腹部に深手を負わせることに成功。
見事にアレスを退陣させました。



ちなみに逃げたアレスは最高神であり、父親でもあるゼウスに泣きつきますが「泣くな、情けない」と叱られてしまったのだとか
隠れ兜(キュネエー)が現代作品に与える影響


隠れ兜(キュネエー)は「身につけると透明化する」という概念として現代作品に大きな影響を与えています。
フィクション作品に出るモチーフ例
- ハリーポッターシリーズの「透明マント」
- 指輪物語の「一つの指輪」
- SFにおける「光学迷彩(ステルス)」
アイテムだけでなく、キャラクターの特殊能力としての「透明化」も多くの作品に出てきます。
ハデスの隠れ兜(キュネエー)は、神話の中で「姿を消して強敵を討つ」という劇的な展開を生み出した「透明ガジェットの原型」です。
現代の作品における「透明化」は、この神話的な装置を魔法・科学・超能力など、それぞれの世界観に合わせて再発明したものと言えます。



国民的マンガのドラえもんにも「とうめいマント」が出てくるほど有名なアイテムになっています
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