
| 名称 | グラム |
|---|---|
| 神話体系 | 北欧神話 |
| 所有者 | シグルズ(ジークフリート) |
| 製作者 | オーディン |
| 形状 | 1mを超える長い刀身を持つ剣 |
| 主な能力 | 抜群の切れ味で石・鉄・鎧をたやすく切り裂く |
グラムは北欧神話に出てくる英雄シグルズの武器です。
まいグラムはもともと主神オーディンが「引き抜いたものに与える」として突き刺した剣で、シグルズの父シグムンドが引き抜いて得たものでした
以下でグラムについて詳しく解説していきます。
グラム誕生秘話


Sigurd prüft das Schwert Gram.(1888年)
グラムは北欧神話に登場する武器です。
もともとの製作者はオーディンと言われています。
最強の槍グングニルを持つ主神オーディン


あるときオーディンはヴォルスング王の館の中央に立つ大木に剣(グラム)を突き刺し、引き抜いたものに与えると言い残して去ります。
ヴォルスング王の息子であるシグムンド(シグルズの父)が剣が抜き、長きにわたって多くの戦いを勝利へ導きました。
しかしリュングヴィ王との戦いの最中、突然戦場に槍を持ったマントの老人(オーディン)が現れてグラムは真っ二つに折られてしまいました。
グラムの破片はシグムンドの遺言によって集められ、成長したシグルズが竜ファフニールを退治に行くときに養父で鍛冶屋のレギンによって鍛え直されました。



実は「グラム」という名前は折れた後につけられました
グラムの能力


グラムは抜群の切れ味で石・鉄・鎧をたやすく切り裂く剣、と言われています。
グラムを河に突き立てて上流から羽毛を流すと、細い羽毛を真っ二つにするほどの切れ味でした。
また鍛冶屋の金床や石壁をも切り裂いたとも言われています。
グラムの所有者はシグルズ


Siegfried from Wagner.(1911年)
グラムの所有者はシグルズです。
ただしもともとは父シグムンドが主神オーディンから得たものでした。
シグルズがグラムを得たのは竜ファフニールを退治するために、父の形見の剣の破片を鍛冶屋レギンに鍛えさせたときです。
シグルズは竜ファフニールを退治したあとも、裏切り者の養父レギンを倒したり、ワルキューレのブリュンヒルドとの誓いにもグラムを使用しました。
そして最後に暗殺された後は、戦死した勇者が集められるヴァルハラ宮殿に持って行ったと言われています。


Walhall(1905年)



戦場で果敢に挑んで戦死した勇者は、来たるラグナロクに備えてオーディンの館「ヴァルハラ宮殿」に迎えられ、昼間は鍛錬、夜は宴会をしていたと言われています
グラムにまつわる神話


グラムにまつわる神話をまとめました。
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竜ファフニールを退治した


Siegfried kills Fafnir.(1911年)
シグルズは養父であり鍛冶屋のレギンのもとで育てられました。
レギンは兄であるファフニールが竜になり、財宝を独り占めにしていることをシグルズに話してファフニールを倒して欲しいと頼みます。
シグルズは竜を倒せる剣を作ることを条件に引き受けますが、レギンの鍛えた剣はすぐに折れてとても竜退治には使えません。
そこでシグルズは母をたずね、形見の剣の破片を受け取ってレギンに鍛えさせます。
レギンは鍛冶屋として全技術を注いで鍛えると、ついに名剣グラムが再誕しました。


Sigurd prüft das Schwert Gram.(1888年)
シグルズはグラムを持って竜ファフニール退治に向かいます。
シグルズがファフニール退治のために溝を掘っていると、老人(オーディン)が現れて「もっとたくさん溝を掘ったほうがいい」とアドバイスをしました。
アドバイスに従って溝を掘り、竜ファフニールの水飲み場の道筋に掘った穴に隠れるシグルズ。
そして竜ファフニールが上を通ったときにシグルズは下から心臓目掛けてグラムを突き上げます。
グラムは竜の硬い鱗をものともせずに深く突き刺さり、ついにファフニールを仕留めたのでした。
裏切り者の養父レギンを倒した
竜ファフニールを倒したシグルズは竜の心臓を取り出して食べるために調理し始めました。
しかし焼き加減を確認するために触れたところ火傷をしてしまいます。
怪我をした指を舐めたときに、ついていた竜の血も舐めとってしまったシグルズ。
これによって鳥の話が聞き取れるようになりました。
すると鳥たちが、鍛冶屋レギンがシグルズを裏切って財宝を独り占めしようとしていると話しているのが聞こえます。
シグルズは先手を打ってレギンを倒し、竜殺しの英雄として名声を得ました。
ワルキューレのブリュンヒルドとの誓いに使用された


Sigurd erwerkt Brynhild.(1888年)
英雄となったシグルズは、ある日山頂にそびえ立つ炎に包まれた城を見つけます。
炎をかいくぐりながら城の中へ進むと、美しいワルキューレのブリュンヒルドが眠っていました。
シグルズとブリュンヒルドは惹かれあい、永遠の愛と再会を誓ってその時は別れました。
しかし、ブリュンヒルドを妻にしたいと考えるグンナルの母がシグルズに記憶をなくす酒を飲ませ、シグルズはグンナルの妹と結婚してしまいます。
その後、ブリュンヒルドを妻にするためにグンナルは自分に変装して城を突破・求婚してくれとシグルズに依頼。
何も覚えていないシグルズはかつての恋人にグンナルのふりをして求婚しますが、ブリュンヒルドを汚さないという誓いとしてグラムを間において眠りました。



後に城に来たのはシグルズだったと知ったブリュンヒルドは激怒し、最終的にグンナルとその弟をけしかけてシグルズを暗殺してしまいました
ワルキューレとは
ワルキューレ(ヴァルキュリア)は戦場で果敢に戦って戦死した勇者をオーディンの館ヴァルハラ宮殿に運ぶ女性たちです。


Rhinegold and the Valkyries(1910年)
来たる終末の戦いラグナロクに備え、オーディンの命令で勇者の魂を集めていました。
グラムが現代作品に与える影響


グラムは壮大な抒情詩や英雄譚の原型として現代作品に影響を与えています。
グラムが現代作品に与える影響
「ドラゴンスレイヤー」としての象徴


最大の功績「竜ファフニールの退治」により、グラムはドラゴンスレイヤーの代名詞的な存在となりました。
ファンタジー作品において「竜」は最大の敵として登場します。
そして強大な竜に対抗できる唯一の武器として「伝説の竜殺しの剣」が登場しますが、元ネタとしてグラムの神話があります。



ゲームでも「ドラゴンに絶大なダメージを与える効果がある剣」としてグラムが登場することもあります
「折れた剣の再鍛造」のモチーフ


グラムは「一度折られた伝説の剣が、英雄の子孫によって打ち直される(再誕する)」というドラマチックな設定も、全大作品に影響を与えています。
この失われた伝説の武器を復活させる、という展開は英雄の血筋や資格を証明する王道のストーリーテリングです。



指輪物語のナルシルという剣は、折れた剣の破片を遥かな時を超えて子孫が復活させ、王として覚醒するというまさにグラムの神話に沿った設定なのです
「純潔と悲劇」の象徴


マイナーな影響ですが、グラムがシグルズとブリュンヒルドの間に置かれた神話から、小道具として重要な側面も持ちます。
グラムが象徴する意味
- 二人を隔てるもの
- 悲劇的な愛
- 守られた誓い



グラムは劇中で意味深に引用されることもあります








