
| 名称 | ブリーシンガメン |
|---|---|
| 神話体系 | 北欧神話 |
| 所有者 | フレイヤ |
| 製作者 | ドワーフ(アールヴリッグ(アルフリッグ)、ドヴァリン、ベルリング、グレール) |
| 形状 | 黄金の首飾り |
| 主な能力 | 比類なき美しさ 女神としての権威や豊穣の象徴 |
ブリーシンガメンは北欧神話に出てくる美と豊穣の女神フレイヤのアイテムです。
まいブリーシンガメンには魔力や呪いなどの能力はありませんが、圧倒的な美しさとフレイヤの象徴として有名です
北欧神話の愛と美の女神フレイヤ。
フレイヤの美しさと権威を象徴するアイテムが、この世で最も美しいとされる黄金の首飾り「ブリーシンガメン」です。
その名前は「炎の(あるいは輝く)首飾り」といった意味を持つとされています。
ブリーシンガメンは、その美しさゆえにフレイヤに大きな代償を要求し、さらには神々(オーディン、ロキ、ヘイムダル)を巻き込む大事件の原因ともなりました。
以下でブリーシンガメンについて詳しく解説していきます。
ブリーシンガメン誕生秘話


ブリーシンガメンは北欧神話に登場する首飾りです。
製作者は4人のドワーフ(アールヴリッグ(アルフリッグ)、ドヴァリン、ベルリング、グレール)です。
ある日、ドワーフの国スヴァルトアルフヘイムを訪れたフレイヤは、4人のドワーフが息を飲むほど美しい首飾りブリーシンガメンを制作しているところをみつけます。
一目でブリーシンガメンを気に入ったフレイヤは、ドワーフたちに黄金や銀を積んで譲って欲しいと伝えます。
しかしドワーフたちは金銭を拒否し、「あなたが我々と一晩ずつともに過ごすならば差し上げよう」と言いました。
どうしてもブリーシンガメンがほしかったフレイヤは、なんとこの不道徳な条件を飲んでしまいました。



フレイヤの兄フレイも、一目惚れしたゲルズを妻にするために最強の勝利の剣を差し出しており、欲しいもののために後先考えないところはさすが兄妹、という感じですね
ブリーシンガメンの能力


ブリーシンガメンには魔力や呪いはなく、その比類なき美しさが唯一の能力と言われています。



見たものが欲しがって争いが生まれる「呪い」があるという話もありますが、これは呪いではなくブリーシンガメンが美しすぎるが故の欲によって生まれた争いです
ブリーシンガメンは美と豊穣の女神であるフレイヤが身につけるに相応しい美しさで、神々しさの象徴と言われています。
フレイヤが司る「美」「豊穣」「魔術」の象徴であり、強大な神性を象徴するシンボルでもあったブリーシンガメン。
フレイヤは北欧神話でも最高レベルに美しい女神だったので、ブリーシンガメンをつけたフレイヤは誰をも魅了する輝きを放ったと言われています。
ブリーシンガメンの所有者はフレイヤ


Freyja.(1888年)
ブリーシンガメンの所有者は美と豊穣の女神フレイヤです。
フレイヤはアース神族の神ですが、もともとはヴァン神族という魔術を得意とする平和な神族出身の神様でした。
その昔アース神族とヴァン神族の戦争が勃発した時に、和睦のために人質交換されてヴァナヘイム(ヴァン神族の国)からアースガルズ(アース神族の国)にやってきました。
人質交換の原因となった「アース・ヴァン戦争」
領土拡大や黄金への欲得に溺れたアース神族が、魔術に長けたヴァン神族に戦争を挑もうとします。
オーディンが魔槍グングニルをヴァン神族の軍勢に向かって投げ入れたことが開戦の合図となり、アース・ヴァン戦争が起こりました。


Æsir-Vanir war(1895年)
アース・ヴァン戦争はこう着状態が続きましたが、「アース神族」と「ヴァン神族」がそれぞれ人質を交換することで戦いは和解。
- アース神族:ヘーニル、ミーミル
- ヴァン神族:ニョルズ、フレイ、フレイヤ
長きに渡った神々の戦いは終結し、アースガルズに一時の平和が訪れました。
フレイヤはヴァン神族が使うセイズという魔術を得意とし、「美」「愛」「豊穣」「魔術」を司ります。
北欧神話の中でもとても強力な力を持つ女神で、主神オーディンの愛人であったとする神話(「ソルリの話」というサガ)もあります。



兄は北欧神話でも最強ランクの武器勝利の剣を持つ豊穣の神フレイです
ブリーシンガメンにまつわる神話


ブリーシンガメンにまつわる神話をまとめました。
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入手方法に怒ったオーディンに取り上げられた


Oden som vandringsman,(1886年)
比較的新しいサガ(伝承)の「ソルリの話」では、フレイヤは主神オーディンの愛人と言われています。



「ソルリの話」は「スノッリのエッダ」よりも150年以上後に成立したと言われ、「スノッリのエッダ」の方が神話の原典に近いと言われています
オーディンは邪神ロキから、フレイヤがブリーシンガメンを手に入れるために4人のドワーフと一夜ずつ共にしたと聞いて怒りました。
ロキに命じてブリーシンガメンを取り上げますが、フレイヤは返して欲しいと懇願。
オーディンはブリーシンガメンを返す条件として、「二人の強い王に呪いをかけ、ラグナロクまで永遠に戦わせるように」と言いました。
そこでフレイヤが目をつけたのがダーインスレイヴを持つホグニ王でした。


フレイヤは魔術でヘジン王子をそそのかしてホグニ王の娘ヒルドルを誘拐させ、ホグニ王とヘジン王子が永遠に「ヒャズニングの戦い」をするように仕向けたのです。



ちなみに、より北欧神話の原典に近いとされる「スノッリのエッダ」では、「ヒャズニングの戦い」に女神フレイヤの名前は出てきません
「ヒャズニングの戦い」とは


Hild and Hjadningavig on Hammars (I).JPG by Berig, CC BY-SA 3.0
ダーインスレイヴの持ち主であったホグニ王が遠征中に、娘ヒルドルがヘジン王子に誘拐されてしまいます。
帰還したホグニ王は激怒し、大軍を率いてヘジン王子を追跡。
ついにヘジン王子に追いついたとき、娘のヒルドルが父ホグニ王のもとを訪れて和平交渉をします。
ヘジン王子も「莫大な黄金を積んで和平を申し出たい」と言いますが、ホグニ王は「遅すぎた」と答えました。
そう、ホグニ王はすでにダーインスレイヴを鞘から抜いてしまっていたのです。
呪い「血の渇望:一度鞘から抜かれれば、生き血を吸うまで戻らない」が発動し、両軍は凄まじい戦いを繰り広げます。
あまりに過酷な戦いだったので、ホグニ王もヘジン王子も、ほどんどの戦士たちが死んでしまいました。
しかし夜になると、魔術が使える娘ヒルドルがその日の戦死者全員を蘇らせたのです。
なので翌日も蘇った戦士たちは再び戦い、また夜にはヒルドルによって復活。
ダーインスレイヴの呪いによって始まったこの「ヒャズニングの戦い」は、ラグナロクが来るまで永遠に繰り返されることとなりました。
ロキが盗み出してヘイムダルが取り戻した


Freya and Heimdall(1846年)
ある夜、フレイヤが眠っている隙に邪神ロキがブリーシンガメンを盗み出してしまいます。
これに気づいた神々の番人ヘイムダルはロキを追跡。
ロキは「アザラシ」に変身してシンガステインという岩礁に隠れますが、ヘイムダルも「アザラシ」に変身してロキを追い詰め、激しい戦いの末にロキを打ち負かします。
ヘイムダルは無事にブリーシンガメンを奪還し、フレイヤのもとへ返しました。
この事件以来ヘイムダルとロキは宿敵同士となり、ラグナロクでは相打ちとなって共に倒れたと言われています。
ミョルニルを取り戻すためにトールに貸出した


Tor såsom Freya.(1893年)
ブリーシンガメンはミョルニルを盗まれた際にはトールに貸し出された、という神話もあります。
ある朝雷神トールが目覚めると、ミョルニルが盗まれていました。
邪神ロキに調査してもらったところ、犯人は巨人族のスリュムと判明。
雷神トールはミョルニルを返すように言いますが、スリュムは「女神フレイヤを妻としてよこせ」と言います。
フレイヤは激怒して拒否し、あまりの怒りにブリーシンガメンは(彼女の首から)弾け飛んで壊れてしまったほどでした(すぐに修理されました)。
そこでヘイムダルが「トールが花嫁に偽装して巨人族の国ヨトゥンヘイムに行けばいい」と提案します。
当然、トールは猛反発しますが、邪神ロキや神々から「ミョルニルがなければ神の国アースガルズは巨人族に滅ぼされてしまう」と説得されて渋々了承しました。
トールはフレイヤに見えるように、フレイヤの服やブリーシンガメンを身につけて巨人の国へ行きました。



トールはロキのフォローもあってなんとかバレずに結婚式に臨み、無事にミョルニルを取り戻して巨人たちを殲滅しました
ブリーシンガメンが現代作品に与える影響


ブリーシンガメンは、現代の作品において「女神が身につける最強の装飾品(アクセサリー)」の代表格として影響を与えています。



ブリーシンガメンは、『ファイナルファンタジー』シリーズ、『ヴァルキリープロファイル』、『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』など、多くのRPGで登場する人気アイテムです
ブリーシンガメンが現代作品に与える影響
強力なバフアイテムとして登場


ブリーシンガメンは、女性キャラクター専用の最強クラスのネックレスや防具として登場することがあります。
効果は「魅力」や「魔力」を大幅に上げる、光や聖属性の耐性を付ける、自動でHPが回復する(豊穣の象徴)など、強力な加護(バフ)として描かれることが多いです。



所有者のフレイヤの神格が高く、「美」や「豊穣」を司っていたことから影響を受けています








