
| 名称 | アムリタ 甘露(かんろ) |
|---|---|
| 神話体系 | インド神話(マハーバーラタ、プラーナ文献) |
| 所有者 | 管理者:ダヌヴァンタリ(医学の神・ヴィシュヌの化身) 享受者:神々(デーヴァ) 実質管轄:ヴィシュヌ |
| 製作者 | なし 神々とアスラによる乳海攪拌によって誕生 |
| 形状 | 宇宙の海を混ぜて作られた甘露 |
| 主な能力 | 不老不死 完全な蘇生 永遠の若さ |
アムリタはインド神話における「不老不死の霊薬」であり、神々(デーヴァ)が永遠の命と強大な力を持っている根源です。
まいサンスクリット語で「ムリタ(死)」に否定の「ア」をつけた言葉で、文字通り「不死」を意味し、漢訳仏典では「甘露(かんろ)」とも呼ばれます
アムリタを巡って、神々とアスラ(阿修羅)は天地を揺るがす大戦争を繰り広げました。
いわばインド神話における「究極のマクガフィン(争奪戦の核となるアイテム)」であり、アムリタがなければ今の神々の栄光は存在しなかったと言える最重要アイテムです。
インド神話最大のイベント「乳海攪拌(にゅうかいかくはん)」の中心にあるアイテムについて詳しく解説していきます。
アムリタ誕生秘話


Samudra manthan.(1910年)
アムリタが誕生した経緯は、インド神話で最も有名なエピソード「乳海攪拌」です。
ある時、ドゥルヴァーサ仙人の呪いによってインドラを含む神々は力を失い、老いさらばえてアスラ(悪魔)たちに圧倒されていました。
ヴィシュヌ神は「不死の霊薬アムリタを作って飲めば、力は戻る。だが材料は巨大だ。アスラたちと協力して、宇宙の海(乳海)をかき混ぜるのだ」と助言しました。
神々とアスラは一時休戦し、巨大なマンダラ山を「攪拌棒(泡立て器)」に、竜王ヴァースキ(ヴァスキ)を「ロープ」にして、海に浮かぶ巨大亀クールマ(ヴィシュヌの化身)の上に乗せました。
そして山を回転させ、千年間もの間、海をかき混ぜ続けました。


The Churning of the Ocean of Milk (6124603065).
海からは世界の宝物が次々と生まれました。
- 毒 ハーラーハラ
- 女神 ラクシュミー
- 天馬 ウッチャイヒシュラヴァス
- 如意樹 カルパヴリクシャ
- 月(チャンドラ)
- 医神 ダンヴァンタリ(アムリタを持って出現)
そして最後に、白い壺を持った美少年が現れました。
彼こそが医学の祖ダヌヴァンタリ神であり、その壺の中に入っていたのが、完成したアムリタでした。
アムリタの能力


アムリタの能力は「不老不死」と「死者蘇生」です。
- 不老不死と永遠の若さ
- 死者蘇生
- 極上の味
アムリタは飲んだ者に神と同等の寿命と、老いることのない肉体を与えます。
さらに、戦いで死んだ者を生き返らせる力もあると言われています(※似た薬草に「サンジーヴニー」もありますが、アムリタはその上位互換とされます)。



しかも味も最高で、この世で最も甘く、香り高い液体なのだそうです
インド神話のキーアイテムは格付けするとは何位にランクインするのでしょうか?
気になる順位はインド神話の最強武器ランキングの記事で発表していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
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アムリタの所有者は神々とダヌヴァンタリ


Godofayurveda.jpg by F16 / CC BY-SA 3.0
アムリタの所有者はインドラをはじめとするインド神話の神々と医神ダヌヴァンタリです。
ダヌヴァンタリは医学の神であり、ヴィシュヌの化身の一つです。
乳海攪拌の最後に、アムリタが入った白い壺(カマンダル)を手に持って海から現れたと言われています。



アムリタの「運搬係」や「守護者」としての性格が強く、絵画でも必ずアムリタ壺を持った姿で描かれます
ただし、アムリタは普段、天界(スヴァルガ)にあるインドラの宮殿あるいは「ソーマの器(月)」の中に保管され、神々だけが飲むことを許されています。
つまり、医学の神がアムリタを持って現れ、神々みんなでその力(不死)を享受しているのです。
アムリタにまつわる神話


Samudramanthana – the Churning of the Ocean of Milk.(1800年)
アムリタにまつわる神話をまとめました。
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アムリタ争奪戦と「ラーフ」の悲劇


Mohini Samudra manthan.
乳海攪拌によってアムリタが完成した瞬間、アスラたちがそれを奪い取りました。
しかし、ここでヴィシュヌ神が絶世の美女モヒニに変身し、アスラたちを魅了しました。
「私が公平に分けてあげるわ」と騙して壺を取り上げ、アスラたちにはただの水や酒を、神々には本物のアムリタを配り始めました。
ですが、アスラの一人ラーフが神に化けて列に並び、アムリタを一口飲んでしまいます。
太陽神スーリヤと月神チャンドラがそれに気づいて告げ口し、ヴィシュヌはスダルシャナ・チャクラでラーフの首を切り落としました。
しかし、アムリタはすでにラーフの喉を通っていたため、ラーフは首から上だけが不死となって生き残りました。



ラーフは告げ口した太陽と月を恨み、時々彼らを飲み込もうとして日食や月食を起こすようになったと言われています
ガルダの母を救う冒険


Garuda Raden Sjarif.
鳥の王ガルダ(後のヴィシュヌの乗り物)は、奴隷にされた母を救う条件として、天界からアムリタを奪ってくるよう蛇族に要求されました。
ガルダは単身で天界に攻め込み、神々を蹴散らしてアムリタを強奪しましたが、自分は決して飲まずに潔くインドラに返却(または回収させるよう仕向け)しました。
この高潔さにヴィシュヌが感動し、ガルダを不老不死にしたと語られます。



ちなみにこの騒動の際にガルダがアムリタを置いたとき、ナーガ(蛇)がクシャ草の上にこぼれた滴を舐めようとして舌が切れ、舌が二股になったと言われています
アムリタが現代作品に与える影響


アムリタは、「最強の回復アイテム」「神秘的な液体」の代名詞として現代でも世界中で使われています。
- RPG・ファンタジー全般
不死の霊薬、究極回復アイテム、神専用アイテムの元ネタ - 『女神転生シリーズ』
アムリタ=完全回復・状態異常解除
神の領域のアイテムとして扱われる - 『Fateシリーズ』
直接名は出ないが「神霊の不死性」「霊薬系設定」の基礎概念として存在 - 『テイルズオブシリーズ』
霊薬アムリタとして登場
回復アイテムや蘇生アイテム



ヨガでは頭頂から流れる陶酔状態をもたらすエネルギーや、最終的な幸福の象徴としても知られています
アムリタとは、神々が神であり続けるために必要な「不死の甘露」であり、インド神話においては単なる霊薬ではなく世界秩序そのものを支えるシステム的存在なのです。
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