
| 名称 | ブラフマーストラ ブラフマーの矢 / 梵天の矢 |
|---|---|
| 神話体系 | インド神話(ヒンドゥー教) |
| 所有者 | ラーマ(『ラーマーヤナ』の主人公) インドラジット(魔王ラーヴァナの息子) アルジュナ(『マハーバーラタ』の主人公) アシュヴァッターマン(ドローナの息子) カルナ(アルジュナのライバル) ドローナ(王族の武術師範) |
| 製作者 | なし(創造神ブラフマー由来) |
| 形状 | マントラ(真言)を込めて発動させるので固有の形状はないが、矢が多い |
| 主な能力 | 核兵器並みの破壊力 環境の不毛化 存在の抹消 |
ブラフマーストラはインド神話に出てくる古代の最強兵器です。
まい創造神ブラフマーの力を宿したインド神話界における「最終兵器」がブラフマーストラです
ブラフマーストラは剣や槍のような物理的な武器そのものを指すのではなく、矢や草などの触媒に「マントラ(真言)」を込めることで発動する「概念兵器」に近い存在です。
その威力は凄まじく、ひとたび放たれれば『マハーバーラタ』では「一万の太陽が同時に昇ったような光」と描写され、全宇宙を焼き尽くすとされています。
しかも使用後の土地には草一本生えなくなり、雨も降らなくなるのです。
現代の研究家やオカルトファンの間で「古代の核兵器だったのではないか?」と囁かれる伝説の兵器について解説します。
ブラフマーストラ誕生秘話


Brahma 1820.
ブラフマーストラは創造神ブラフマーが「ダルマ(法)を守るため」に創造した、神々ですら恐れる抑止力です。
物理的な武器を持ち歩く必要はなく、戦場で落ちている「ただの草」や「普通の矢」を手に取り、特定のマントラを唱えて精神統一することで、その物体が「ブラフマーストラ」へと変化します。
誰でも使えるわけではなく、厳しい修行を積んで神に認められた一部の英雄(マハーラタ)だけが、師匠(グル)から口伝で「起動マントラ」を授けられます。
ブラフマーストラはあまりに危険すぎるため、以下の厳しい使用条件(制約)が課されています。
- 「格下の敵」に使ってはならない
(自分と同格の強敵、あるいは神レベルの相手にのみ許可される) - 基本的には「一生に一度」しか使えない
(解除のマントラを知っていれば何度でも使えるが、知る者はごく僅か)
ブラフマーストラの能力


叙事詩『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』におけるブラフマーストラの描写は、現代の核爆発を彷彿とさせます。
- 1万の太陽の輝き
発動すると宇宙全体が震え、太陽が1万個集まったような目がくらむ閃光が走る - 全てを無にする熱
海は沸騰し、山は砕け、あらゆる生命が一瞬で灰になる - 環境の死(不毛化)
ブラフマーストラが使われた土地は、その後12年間(あるいは永劫に)雨が降らなくなり、草木が生えない不毛の大地となる
さらにブラフマーストラには、威力と規模が異なる「3段階の進化形態」が存在します。
| Lv | 名称 | 威力・規模 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 1 | ブラフマーストラ (Brahmastra) | 対・国 / 対・軍 (核兵器級) | 基本形 一撃で地域を焦土にし、不毛の地にする |
| 2 | ブラフマシラーストラ (Brahmashirastra) | 対・神 / 対・世界 (Lv.1の4倍) | 上位版 対象の存在を「過去、現在、未来」から抹消する |
| 3 | ブラフマンダストラ (Brahmandastra) | 対・宇宙 (全宇宙の破壊) | 最上位 他のアストラを飲み込み無効化する |
上位:ブラフマシラーストラ
ブラフマシラーストラは「ブラフマーの頭」を意味する上位種です。
通常のブラフマーストラの4倍の威力を持つとされ、先端にブラフマーの4つの顔が現れるとも描写されます。
その能力は物理的な破壊を超え、対象の存在を「過去、現在、未来」から抹消するとまで言われます。
神々ですら防ぐのが困難な、禁断中の禁断兵器です。
最上位:ブラフマンダストラ
ブラフマンダストラは「ブラフマーの卵(宇宙)」を意味する最上位種です。
その威力は宇宙(全時空・全銀河)そのものを破壊、または再創造できるレベルに達します。
攻撃だけでなく「絶対的な防御」としても機能し、敵が放った他のアストラ(ブラフマーストラを含む)を巨大なブラックホールのように飲み込んで無効化することができます。



ただし、ブラフマンダストラは叙事詩中での明確な使用例は少なく、後世の解釈・神話整理によって語られることが多い最上位概念と考えられています
インド神話の最終兵器級の力は格付けするとは何位にランクインするのでしょうか?
気になる順位はインド神話の最強武器ランキングの記事で発表していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
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ブラフマーストラの使用を許された英雄


Lord Rama with arrows.(1820年)
ブラフマーストラはインド神話のトップクラスの英雄しか扱えません。



ブラフマーストラは固有の武器ではなく、神に認められた一部の英雄だけが、師匠(グル)から口伝で「起動マントラ」を授けられて使用できるようになります
- ラーマ(『ラーマーヤナ』の主人公)
魔王ラーヴァナとの最終決戦で使用した - インドラジット(魔王ラーヴァナの息子)
ハヌマーンの拘束のために使用した - アルジュナ(『マハーバーラタ』の主人公)
アシュヴァッターマンの暴走で使用しようとした - アシュヴァッターマン(ドローナの息子)
アルジュナとの戦いで使用、暴走させてしまった - カルナ(アルジュナのライバル)
呪いによって使えなくなった - ドローナ(王族の武術師範)
知識として持っており、アルジュナとアシュヴァッターマンに伝授した
ブラフマーストラにまつわる神話


ブラフマーストラにまつわる神話をまとめました。
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魔王ラーヴァナとの最終決戦


Forest dwelling Rama and Lakshmi battle Ravana.(1840年)
叙事詩『ラーマーヤナ』のクライマックスにおいて、主人公ラーマは魔王ラーヴァナとの戦いでブラフマーストラを使用しました。
魔王ラーヴァナは、首を切り落としてもすぐに再生してしまう不死身に近い肉体を持っていました。
ラーマは神々から送られた矢にブラフマーストラのマントラを込め、ラーヴァナの心臓(再生の源)を射抜くことで、ついに魔王を討ち滅ぼしました。
インドラジットによるハヌマーンの拘束


Hanuman attacked by Indrajit in front of Brahma (6124571167).
ラーヴァナの息子インドラジットは、猿神ハヌマーンとの戦いでブラフマーストラを使用しました。
しかし、ハヌマーンはかつてブラフマー神から「あらゆる武器で傷つかない」という加護を得ていたため、ブラフマーストラが直撃しても死ぬことはありませんでした。
ハヌマーンはラーヴァナに会うためにあえて抵抗せず、その縄(拘束効果)に縛られることを選びました。



ブラフマーストラは破壊能力だけでなく拘束能力もあるという象徴的なエピソードです
アシュヴァッターマンの暴走


ブラフマーストラの恐ろしさを象徴する最も有名なエピソードが「アシュヴァッターマンの暴走」です。
大戦争の末期、敵への復讐に燃えるアシュヴァッターマンは、禁断の「ブラフマーストラ」をアルジュナに向けて発射しました。
対するアルジュナも、身を守るために「ブラフマーストラ」を放ちます。
二つの最終兵器が衝突すれば、宇宙そのものが消滅してしまう──。
見かねた聖仙ヴィヤーサとナラダが二人の間に割って入り、「武器を収めよ!」と命じました。
天才アルジュナはすぐに解除のマントラを唱え、武器を回収しましたが、アシュヴァッターマンは「放つ方法は教わったが、戻し方は教わっていない」という状態でした。
一度放たれたブラフマーストラは、標的を破壊するまで止まりません。
行き場を失った破壊のエネルギーを、アシュヴァッターマンはあろうことか「アルジュナの孫(胎児)」に向けました。
その結果、妊婦のお腹にいたパリークシット(後の王)は黒焦げになって死産しましたが、後にクリシュナの神力によって蘇生されました。
カルナは呪いによってブラフマーストラを使えなくなった


悲劇の英雄カルナは、師匠パラシュラーマに身分を偽って弟子入りし、最強クラスのアストラ(ブラフマーストラ級の奥義)を授かりました。



カルナは身分が低く、元の師匠ドローナからはブラフマーストラを伝授されなかったため、パラシュラーマに師事しました
しかし後に嘘がバレてしまい、師匠から「お前が最もこの武器を必要とする時、マントラを忘れて発動できなくなる」という致命的な呪いをかけられます。
その呪いは宿敵アルジュナとの最終決戦で発動。
カルナは必死にマントラを思い出そうとしましたが叶わず、勝利の弓と呼ばれるヴィジャヤを持ちながらも敗北することとなりました。
ブラフマーストラが現代作品に与える影響


ブラフマーストラは「詠唱して放つ最強の一撃」「核兵器のメタファー」として、多くの作品に影響を与えています。



インドでは「ブラフマーストラ」という名前の映画もあるほど、現代でも最強武器として馴染み深い存在です
日本でも『Fate / Grand Order』にカルナの宝具「梵天よ、地を覆え(ブラフマーストラ)」、および上位版の「梵天よ、我を呪え(ブラフマーストラ・クンダーラ)」として登場。
そのほかにもインド神話を題材にした漫画・ゲーム・ラノベにも、技やアイテムとしてブラフマーストラが登場することもあります。
また、そのものではなくブラフマーストラの「究極の破壊力」というイメージも現代作品に生かされています。
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