
| 名称 | ドラウプニル |
|---|---|
| 神話体系 | 北欧神話 |
| 所有者 | オーディン |
| 製作者 | ドワーフ(ブロックとエイトリ(シンドリ)) |
| 形状 | 黄金の腕輪 |
| 主な能力 | 9夜ごとに8つの同じ重さの腕輪を滴らせる |
ドラウプニルは北欧神話に出てくる主神オーディンのアイテムです。
まいドラウプニルは黄金の腕輪の無限増殖によって「富の象徴」として神話に登場します
以下でドラウプニルの腕輪について詳しく解説していきます。
ドラウプニル誕生秘話


The third gift — an enormous hammer(1902年)
ドラウプニルは北欧神話に出てくるアイテムです。
製作者はドワーフの兄弟ブロックとエイトリ(シンドリ)と言われています。
あるとき邪神ロキが雷神トールの妻の雷神トールの妻シヴの美しい髪の毛を刈った詫びとして、ドワーフ(イーヴァルディの息子たち)に自然に伸びる黄金の髪の毛を作らせました。


Loki and Dvalin.(1871年)
このときイーヴァルディの息子たちは同じ炉を使って全部で3つの宝物を製作しました。
宝物の出来が良かったことで調子に乗った邪神ロキは、ドワーフの兄弟ブロックとエイトリ(シンドリ)に自分の首をかけて「お前たちにはこれ以上のものは作れないだろう」と挑発します。
怒ったブロックとエイトリ(シンドリ)はロキの賭けに乗り、3つの宝物を製作しました。
- グリンブルスティ(黄金に耀く猪)
- ドラウプニル(黄金の腕輪を生み出す腕輪)
- ミョルニル(絶大な力のハンマー)
賭けに負けたくないロキはハエに化けて製作の邪魔をしましたが、ミョルニルの柄が少し短くなっただけでした。



ドラウプニルは最高の宝物として、オーディンに献上されました
ドラウプニルの能力


ドラウプニルの能力は、9夜ごとに8つの同じ重さの腕輪を滴らせることです。
無限に黄金の腕輪を生成するドラウプニルは、まさに富の象徴として神話でも描かれています。
ちなみに、このドラウプニルの能力はルーンによるものではないと言われています。
ドワーフ(ブロックとエイトリ(シンドリ))の最高工芸技術として、自動増殖能力を付与された腕輪なのです。
ドラウプニルの所有者はオーディン


Oden som vandringsman,(1886年)
ドラウプニルの所有者は北欧神話の主神オーディンです。
魔槍グングニルを持ち、片目がない(知恵の泉の水と引き換えに捧げた)ヒゲの老人として描かれます。
オーディンは知恵、癒やし、死、王権、絞首、知識、戦争、勝利、魔術、詩歌、狂気、ルーンを司どる神様です。



戦争や狂気から、知恵や詩歌など平和で文化的なものも司る珍しい神様です
オーディンは兄弟と共に原初の巨人ユミルを倒し、天地創造によって世界樹ユグドラシルに9つの世界を作った神の一人です。


Yggdrasil.(1847年)
世界樹ユグドラシルの9つの世界
- アースガルズ:アース神族の国
- ヴァナヘイム(ヴァナランド):ヴァン神族の国
- アールヴヘイム:妖精の国
- ミズガルズ:人間の国
- ヨトゥンヘイム(ウートガルズ):巨人の国
- ニザヴェッリル:小人の国
- スヴァルトアールヴヘイム:黒い妖精の国
- ニヴルヘイム:霧の国(奥にヘルヘイム(死者の国)がある)
- ムスペルヘイム:炎の国
妻は愛・結婚・豊穣の女神フリッグで、息子にミョルニルを持つ雷神トールや光の神バルドルがいます。
邪神ロキとは義兄弟の関係です。
ドラウプニルにまつわる神話


ドラウプニルにまつわる神話をまとめました。
タップで飛べます
美しい女巨人ゲルズへの賄賂として利用された


Skírnir and Gerðr(1895年)
ドラウプニルは、豊穣の神フレイが美しい女巨人ゲルズに求婚するために賄賂として利用されました。
美しい女巨人ゲルズに一目惚れし、従者のスキールニルに代わりに求婚してくるように依頼したフレイ。
スキールニルはあらゆる方法でゲルズにフレイの妻になるように頼みますが、なかなかゲルズは首を縦に振りません。
最後にスキールニルがルーンで呪うと脅し、ようやくゲルズは観念してフレイの妻となりました。



ドラウプニルは最高の物質的な富として提示されましたが、裕福なゲルズは受け入れませんでした
光の神バルドルの弔いの品として選ばれた


Odin’s last words to Baldr.(1908)
ドラウプニルは光の神バルドルが亡くなり、盛大に見送られたときに弔いの品として選ばれました。
バルドルは、邪神ロキの策略によって命を落としてしまった光の神で主神オーディンと女神フリッグの息子です。


神々はバルドルの死を嘆き悲しみ、光の神に相応しい盛大な葬儀を行うことにしました。
オーディンはバルドルの胸にドラウプニルを乗せ、弔意と愛を示したと言われています。
バルドルを乗せた船フリングホルニはミョルニルによって聖別され、神聖で壮大な葬儀が執り行われました。
冥府からオーディンの元へ返された


バルドルに持たせたドラウプニルですが、葬儀の後にオーディンに返還されることとなりました。
バルドルの葬儀の後、オーディンの息子ヘルモーズはバルドルを連れ戻すためにスレイプニルに乗ってヘルヘイム(死者の国)にやってきます。
無事に兄バルドルと再会したヘルモーズでしたが、ロキの妨害によってバルドルを連れて帰ることができなくなってしまいました。
そこでバルドルは、ヘルモーズに「父オーディンへの形見」としてドラウプニルを返したのでした。
邪神ロキの妨害とは
邪神ロキの策略によって、ヤドリギに貫かれたバルドルは死んでしまいました。
バルドルの死を嘆いた母フリッグは、ヘルモーズをヘルヘイムへ向かわせてバルドルを生き返らせるように頼みます。
ヘルヘイムの女王ヘルは、「全世界の者がバルドルのために泣くならば生き返らせてやろう」と約束しました。
フリッグの頼みにより、全世界のあらゆる生物・無生物がバルドルのために泣きました。
ところが、たった一人女巨人のセック(ソック)が「バルドルが死んでも悲しくない」と言って泣かなかったので、バルドルはアースガルズには戻ってこられなくなりました。
実はセックの正体は邪神ロキだったのです。
しかしこの一連の行き過ぎた悪意から、ロキは神々に捕らえられて罰を受けることになりました。
岩に縛り付けられて
毒蛇の毒液を顔で受けるという罰を受けるロキ


Loke og Sigyn(1810年)



普段は妻シギュンが毒液を受け止めますが、杯を空にする間は顔面に毒液を受けるので、苦痛のあまりロキが暴れて地震が起こった、と言われています
ドラウプニルが現代作品に与える影響


ドラウプニルの「富の象徴としてのアクセサリー」や「無限増殖」というユニークな能力が現代作品に影響を与えています。
ドラウプニルが現代作品に与える影響
「無限リソース生成アイテム」の原型


ドラウプニルの「9夜ごとに8つの腕輪を生み出す」という能力は、現代のゲームに当てはめると「自動でお金・リソースを生み出すアイテム」そのものです。
アイテム例
- 装備していると一定時間ごとにお金は手に入る
- 特定のアイテムを自動で生成する
ドラウプニルは「金のガチョウ」や「打ち出の小槌」のように無限の富を象徴する神話的ガジェットとして、大伯クリエイターにインスピレーションを与えています。
「黄金の腕輪」としての存在感


多くのRPGでは最高ランクの腕輪として「ドラウプニル」が登場します。
ドラウプニルは単純に金運アップやアイテムドロップ率アップなど、富やリソース獲得に関わる特殊効果付与以外にも神のアイテムとして「防御力アップ」などにも関わります。
ゲーム例
- ファナルファンタジーシリーズ
- ヴァルキリープロファイル
- グランブルーファンタジー



北欧神話をモチーフにしたゲームや世界観では、ほぼ確実に高ランクアイテムとしてドラウプニルが登場します
新解釈による「武器の無限コピー」能力
現代のゲームでは、ドラウプニルの無限増殖を新解釈して「武器を無限コピーして増やす」能力を持ったものもあります。
ゲームの「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク」では、ドラウプニルは主人公の槍を無限にコピーして作り出すアイテムとして登場します。



「富の増殖」を「武器の無限生成」に再解釈した、おもしろいアダプテーション例ですね
ドラウプニルは「無限増殖」という独特の能力から、現代作品にもユニークなモチーフとして影響を与えています。








