

| 名称 | 金の矢・銀の矢 |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | 金の矢:アポロン 銀の矢:アルテミス |
| 製作者 | ヘパイストス |
| 形状 | 矢 |
| 主な能力 | 必ず当たる 金の矢:人間に疫病をもたらす 銀の矢:苦痛のない死をもたらす |
金の矢・銀の矢はギリシャ神話はに出てくるアポロン・アルテミスの武器です。
まいアポロン・アルテミスは双子の弓の名手とされ、ティタノマキア・ギガントマキアでも活躍しました
太陽神アポロンの「金の矢」と、月の女神アルテミスの「銀の矢」。
双子の神が持つこの美しい弓矢は戦場では必中の武器となり、街には恐ろしい疫病をもたらす「死の象徴」でした。
金の矢・銀の矢は「恋を叶えるキューピッドの矢(エロースの金の矢)」とは全く異なる、神の無慈悲な処刑道具です。
ギガントマキアの怪物さえも射抜いたその威力と、オリオン座にまつわる悲しい神話を解説します。
金の矢・銀の矢誕生秘話
金の矢・銀の矢はギリシャ神話に登場する武器です。
製作者はヘラの子供で鍛治の神・ヘパイストスと言われています。





ヘパイストスはギリシャ神話最強の防具・アイギスの盾も製作したと言われています
最高神ゼウスとティタン神族の女神・レトとの間に生まれたアルテミスは、幼いうちに父・ゼウスの元を訪ねて銀の矢をヘパイストスに作って欲しいとねだります。
ゼウスはアルテミスの願いを聞き入れ、射れば必ず当たる必中の魔法の矢を授けました。
アポロンの金の矢もヘパイストスが製作したものですが、時期は異なるので金の矢・銀の矢は対ではないと言われています。
金の矢・銀の矢の能力


金の矢・銀の矢の能力はこちらです。
- 射れば必ず当たる
- 金の矢(アポロン)は男性を苦痛なく仕留める
- 銀の矢(アルテミス)は女性を苦痛なく仕留める
- 人間には見えず、原因不明の疫病をもたらす
アポロンとアルテミスの矢は必ず当たるので、神々の戦い「ティタノマキア」ではティタン族の怪物討伐に大きく貢献したと言われています。
また、人間を罰するときにも金の矢・銀の矢を使っていたようです。


金の矢・銀の矢は人間には見えず、原因不明の疫病をもたらしたと言われています。



ギリシャ神話の中でも高い能力と攻撃力を持った武器だったといえます
実際に格付けすると金の矢・銀の矢は何位にランクインするのでしょうか?
気になる順位はギリシャ神話の最強武器ランキングの記事で発表していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
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金の矢・銀の矢の所有者はアポロン・アルテミス




金の矢・銀の矢の所有者はアポロンとアルテミスです。
金の矢がアポロン、銀の矢がアルテミスのものと言われていますが、逆だという説もあります。
もともとはアポロンが銀の矢、アルテミスが金の矢を持っていたようです。
しかしアポロンが太陽神、アルテミスが月の女神と同一視されていく中で今の認識になったと言われています。
なお、色が変わっても金の矢・銀の矢の能力は変わっていません。
アポロン・アルテミスを始めとするギリシャ神話の神々の関係性(家系図)や、武器との関連については「【武器で読み解く】ギリシャ神話の家系図!オリュンポス12神と英雄の神器を解説」で詳しく解説しています。
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金の矢・銀の矢にまつわる神話


金の矢・銀の矢にまつわる神話をまとめました。
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ギガントマキアでは怪物エピアルテスを倒す


The Battle of the Gods and Giants(17世紀)
ティタノマキアの後に始まったギガントマキアでは、英雄ヘラクレスとともに怪物エピアルテスを倒したアポロン。
アポロンが金の矢でエピアルテスの左目を射抜き、ヘラクレスが右目を射抜いたことで撃破しました。
ギガースは神々では倒せない、と予言されていましたが、人間の英雄ヘラクレスが参加したことでオリュンポス軍が勝利を収めました。



ヘラクレスは人間ですが、最強の毒矢・ヒュドラの毒矢や、鎧よりも強いネメアの獅子の毛皮を身につけて戦いました
ティタノマキアとギガントマキアの
主な違いがこちら
| 項目 | ティタノマキア | ギガントマキア |
|---|---|---|
| 構成種族 | ティタン神族 | 巨人族ギガース |
| 原因 | 暴君クロノスから覇権を奪うための戦い | ティタノマキア後にティタン神族がタルタロスに閉じ込められたことを怒ったガイアが起こした戦い (宇宙の覇権争い説もあり) |
| 最大の敵 | クロノス | テュポン |
| ガイアの 立ち位置 | 味方 | 敵 |
| 勝敗 | オリュンポス軍の勝ち | オリュンポス軍の勝ち |
愛するオリオンを仕留めてしまったアルテミス


Diana und Orion(1762年)
アルテミスはアポロンの罠によって愛するオリオンを仕留めてしまったと言われています。
狩猟の女神・アルテミスと猟師・オリオンは山の中で出会い、お互いに切磋琢磨しながら親密な関係を築いていきました。
純血を誓い、男嫌いのアルテミスが唯一心を許すオリオンの話は神々が噂するほどでしたが、アポロンはオリオンが気に入りません。



音楽や美術を愛で、自身も光輝くほど美しいアポロンにとって、まさに山の男!という風貌のオリオンは許せなかったのかもしれませんね
そんなある日、アポロンはオリオンに毒さそりを差し向けます(狩の腕をおごったオリオンに怒ったガイアが差し向けた説も)。
驚いたオリオンは海まで逃げました。
ちょうどそのころ、海岸ではアポロンがアルテミスを「どんなに弓の腕があっても、あの海上の小さな的には当てられないだろう」と挑発。
プライドの高いアルテミスは「できます」と答え、見事に的を射抜いたのでした。
しかし、しばらくして海岸にオリオンの亡骸が流れ着き、その頭にはアルテミスの矢が刺さっていました。
オリオンの死を嘆いたアルテミスは、父・ゼウスに請いてオリオンを星座にしてもらったのです。


Orion Hevelius
母・レトのためなら怪物でも人間でも容赦なく仕留めた


Latona with Her Children Apollo and Diana(1742年)
アポロンとアルテミスは母である大地に女神・レトを深く愛していました。
レトを侮辱したテーバイ王の妻・ニオべに対しては、12人の子供達を仕留めて報復したと言われています。
ほかにも、アポロンとアルテミスを出産する際にレトを追いかけ回して邪魔をした大蛇・ピュトンも射止めたアポロン。


Apollo Killing the Python
アポロンとアルテミスは、レトに襲い掛かろうとした巨人・ティテュオスも一撃で倒しています。



兄妹(姉弟説もあり)揃って母への愛情が深かったのです
金の矢・銀の矢が現代作品に与える影響


アポロンとアルテミスの矢は、現代において「必殺の一撃」や「魔を祓う銀の武器」の元ネタとして大きな影響を与えています。
金の矢・銀の矢が現代作品に与える影響
「銀の弾丸(シルバーバレット)」のルーツ


狼男や吸血鬼などの「魔物」を倒せる唯一の武器として、ファンタジー作品で定番の「銀の武器(銀の弾丸・銀の矢)」。
このルーツの一つは、月の女神アルテミス(=銀の矢)が持つ「浄化の力」や、夜の魔物を狩る狩猟神としての性質にあると言われています。
聖闘士星矢(セイントセイヤ)
ギリシャ神話をモチーフにした「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」では、射手座(サジタリアス)の黄金聖衣に「黄金の弓矢」が装備されています。
これはまさに、射手座の神話とアポロンの金の矢のイメージを統合した最強の武器として描かれ、物語の重要な鍵を握るアイテムとして登場します。
NASA「アルテミス計画」


武器ではありませんが、現代の宇宙開発において人類を再び月へ送るプロジェクトは「アルテミス計画」と名付けられています。
かつてのアポロン計画(太陽神)に続く、妹神(月の女神)の矢のように「月へ的確に到達する」という願いが込められています。
ゲームにおける「状態異常」攻撃


RPGなどで弓使いが「毒矢」や「麻痺矢」を使う設定は、アポロンの矢が「疫病(病気)」をもたらしたという神話が、ゲーム的な解釈として広まったものと考えられます。



金の矢・銀の矢はギリシャ神話の中でも攻撃力が高く、現代ゲームにもデザイン・効果ともに大きな影響を与えています
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