- ギリシャ神話の武器・神器
- ギリシャ神話のオリュンポス12神の家系図
- ギリシャ神話の原初の神・ティタン神族の家系図
- ギリシャ神話の英雄の家系図
ギリシャ神話は登場人物が多く、ゼウスの愛人もたくさん登場するので混乱してしまいますよね。
まいでも実は武器・神器から読み解くと、登場人物の関係性や神話の流れがよくわかるんです
そこで今回はギリシャ神話の中心「オリュンポス12神」を家系図で見やすくまとめ、神々の両親や子供、所有する武器などの情報をまとめました。
またギリシャ神話の原初の神やティタン神族、英雄たちについても理解しやすいように家系図を作成しました。
ギリシャ神話の世界をたっぷり楽しめるように、ぜひチェックしてくださいね。
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ギリシャ神話の世界観と武器の起源


ギリシャ神話は古代ギリシャで語り継がれていた神話や民間説話の集成で、大きく3つの物語群に大別できます。
- 世界の起源(原初の神・ティタン神族の物語)
- 神々の物語(オリュンポスの神々の物語)
- 英雄たちの物語



星座の話などで有名な神話は「神々の物語」や「英雄たちの物語」が多いです
ギリシャ神話では、原初の宇宙に存在したカオスから原初の神が生まれ、ティタン神族が宇宙を制覇し、宇宙戦争を経てゼウスが天界を支配します。
神々はティタノマキアやギガントマキアなど、大きな戦争を経験しながら平和な世界を作り上げました。
「ティタノマキア」「ギガントマキア」とは



ティタノマキアは覇権をかけたティタン神族とオリュンポス神族の戦いです





ギガントマキアはガイアの子供ギガースとオリュンポス神族の戦いです
英雄ヘラクレスが大活躍した戦いです


ティタノマキアとギガントマキアの
主な違いがこちら
| 項目 | ティタノマキア | ギガントマキア |
|---|---|---|
| 構成種族 | ティタン神族 | 巨人族ギガース |
| 原因 | 暴君クロノスから覇権を奪うための戦い | ティタノマキア後にティタン神族がタルタロスに閉じ込められたことを怒ったガイアが起こした戦い (宇宙の覇権争い説もあり) |
| 最大の敵 | クロノス | テュポン |
| ガイアの 立ち位置 | 味方 | 敵 |
| 勝敗 | オリュンポス軍の勝ち | オリュンポス軍の勝ち |
ギリシャ神話の最高の鍛治職人「キュクロプス三兄弟」
神々の宇宙統一や英雄たちの活躍を語る上で切っても切れないのが神器(武器)の話です。
神々の武器のほとんどは、ギリシャ神話で最高の鍛冶職人であるキュクロプス三兄弟とヘパイストスが作っていました。
一つ目の巨人キュクロプス


キュクロプス三兄弟はクロノスによって地の果て(タルタロス)に幽閉されていましたが、ティタノマキアでゼウスたちに助けてもらったので、お礼に3つの最高の神器(武器)を製作しました。
それぞれ天界の王ゼウス・海洋の王ポセイドン・冥界の王ハデスに献上され、戦いで何度も戦況を変えました。
| 項目 | ![]() ![]() ゼウス | ![]() ![]() ポセイドン | ![]() ![]() ハデス |
|---|---|---|---|
| 支配域 | 天界 | 海洋 | 冥界 |
| 武器 | ![]() ![]() 雷霆(ケラウノス) | ![]() ![]() トライデント(三叉の鉾) | ![]() ![]() 隠れ兜(キュネエー) |
| 能力 | 世界を焼き尽くす | 大海と大陸を自在に支配する 嵐や洪水を呼び起こす | かぶったものの姿を消す |



天界・海洋・冥界のどこを誰が支配するのかは、ゼウス・ポセイドン・ハデスがくじ引きで決めたと言われています
ギリシャ神話の武器はほぼ「ヘパイストス」製
キュクロプスと並び最高の鍛治職人と呼ばれているのが、鍛治と炎の神ヘパイストスです。
ゼウスの正妻ヘラの子で鍛治の神ヘパイストス


ヘパイストスも、主要な神の武器はほとんどがヘパイストス製と言われるほど多くの有名な武器を作りました。
| 項目 | ![]() ![]() アテナ | ![]() ![]() エロース | ![]() ![]() アポロン | ![]() ![]() ヘルメス | ![]() ![]() アキレウス |
|---|---|---|---|---|---|
| 武器 | ![]() ![]() アイギスの盾 | ![]() ![]() 金の矢・鉛の矢 | ![]() ![]() 金の矢 | ![]() ![]() タラリア | ![]() ![]() アキレウスの盾 |
| 能力 | 雷霆(ケラウノス)の一撃をも防ぐ絶対防御 | 金の矢:射たものに恋心を植え付ける 鉛の矢:射たものに嫌悪感を抱かせる | 必ず当たる 金の矢:人間に疫病をもたらす 銀の矢:苦痛のない死をもたらす | 空を飛んで素早く移動する | 人間界で最強の盾 |



ヘパイストスは神器だけでなく、英雄の名だたる防具・武具も製作しており、まさにギリシャ神話の武器王なのです
ギリシャ神話オリュンポス12神+冥王の家系図と神器




ギリシャ神話の家系図は大地の女神ガイアや最高神ゼウスが中心になっています。
ギリシャ神話の中心にいるオリュンポス12神がこちら。
| 名前 | 武器 | 両親 | 子供 |
|---|---|---|---|
| 最高神・天空神 ゼウス | 雷霆(ケラウノス) | 父親:クロノス 母親:レア | ヘラ:アレス、へべ、エイレイテュイア デメテル:ペルセポネ メティス:アテナ マイア:ヘルメス レト:アポロン、アルテミス セメレ:ディオニュソス アルクメネ:ヘラクレス ダナエ:ペルセウス |
| 結婚の女神 ヘラ | なし | ゼウス:アレス、へべ、エイレイテュイア 単独:ヘパイストス | |
| 海洋神 ポセイドン | トライデント(三叉の鉾) | アンピトリテ:トリトン、ロデ、ベンテシキュメ デメテル:デスポイナ、アレイオーン アイトラ:テセウス | |
| 豊穣の女神 デメテル | なし | ゼウス:ペルセポネ ポセイドン:デスポイナ、アレイオーン イアシオン:プルートス、ピロメーロス | |
| 戦いと知恵の女神 アテナ | アイギスの盾 | 父親:ゼウス (母親:メティス) | なし |
| 戦いの神 アレス | 盾と槍 | 父親:ゼウス 母親:ヘラ | アフロディーテ:エロース、ポボス、デイモス、ハルモニアー |
| 鍛治と炎の神 ヘパイストス | なし | ヘラ | 妻はアフロディーテ(子供はなし) 大地:エリクトニオス |
| 伝令神 ヘルメス | ケーリュケイオン ハルパー タラリア | 父親:ゼウス 母親:マイア | パーン、ヘルマプロディートス、アウトリュコス、エウドーロス |
| 太陽と光の神 アポロン | 金の矢 | 父親:ゼウス 母親:レト | コロニス:アスクレピオス |
| 月と狩猟の女神 アルテミス | 銀の矢 | なし | |
| ぶどう酒・豊穣神 ディオニュソス | テュルソス | 父親:ゼウス 母親:セメレ | プリアーポス、ヒュメナイオス、カリス |
| 愛と美の女神 アフロディーテ | なし | ウラノス | 夫はヘパイストス(子供はなし) アレス:エロース、ポボス、デイモス、ハルモニアー |
| 冥王 ハデス | 隠れ兜(キュネエー) | 父親:クロノス 母親:レア | 妻はペルセポネ(子供はなし) |



オリュンポス12神はほとんどがゼウスの血縁です
アフロディーテだけは原初の神に近いですが、美しさを称えてゼウスが仲間に入れたと言われています
ゼウスの兄弟はほぼオリュンポス12神に入っていますが、冥王ハデスとかまどの女神ヘスティアは入っていません。
ハデスがオリュンポス12神に入っていないのには主に3つの理由があるとされています。
- オリュンポス山に住んでいない
- 「死」の神は天空と相性が悪い
- 別の国(冥界)の王だから
ハデスは天界と地上の王ゼウスの部下ではなく、独立した地下の王なのでオリュンポス12神には数えられないのです。
ヘスティアについては、実はオリュンポス12神に入っていましたが、ゼウスの子でぶどう酒と豊穣の神ディオニュソスが入っていないことを憐れんで席を譲ったと言われています。
ゼウス:最高神・天空神


Zeus Otricoli Pio-Clementino Inv257.
| 象徴 | 最高神・天空神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | 雷霆(ケラウノス) |
| 両親 | 父親:クロノス 母親:レア |
| 配偶神と 子供 | ヘラ:アレス、へべ、エイレイテュイア デメテル:ペルセポネ メティス:アテナ マイア:ヘルメス レト:アポロン、アルテミス セメレ:ディオニュソス アルクメネ:ヘラクレス ダナエ:ペルセウス |
ゼウスはギリシャ神話の最高神の中心人物で、妻とたくさんの愛人との間に子供を儲けました。
武器はギリシャ神話で最強とも言われる「雷霆(ケラウノス)」です。


| 名称 | 雷霆(ケラウノス) |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ゼウス |
| 製作者 | キュクロプス三兄弟 |
| 形状 | 雷 |
| 主な能力 | 世界を焼き尽くす |
| まつわる神話 | ティタノマキアの中で生まれた雷霆(ケラウノス) 孫が相手であっても容赦なく放たれた |
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ヘラ:結婚の女神


Hera – Meyers.(1885年)
| 象徴 | 結婚の女神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | なし |
| 両親 | 父親:クロノス 母親:レア |
| 配偶神と 子供 | ゼウス:アレス、へべ、エイレイテュイア 単独:ヘパイストス |
ヘラはゼウスの姉であり、正妻(オリュンポス神々の女王)です。
武器はとくになく、多くは王笏を持ってた姿で描かれました。



とても嫉妬深い性格で、ゼウスの愛人や子供たちに嫌がらせをたくさんしていたと言われていますが、ゼウスとは仲が良かったようです
ポセイドン:海洋神


Neptune alcazar Seville Andalusia Spain.
| 象徴 | 海洋神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | トライデント(三叉の鉾) |
| 両親 | 父親:クロノス 母親:レア |
| 配偶神と 子供 | アンピトリテ:トリトン、ロデ、ベンテシキュメ デメテル:デスポイナ、アレイオーン アイトラ:テセウス※ |
ポセイドンはゼウスの兄(次兄)で、海洋を司る神です。
性格は荒々しく、武器のトライデント(三叉の鉾)を突き立てて海を荒れさせたりしていたと言われています。


| 名称 | トライデント(三叉の鉾)、トリアイナ |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ポセイドン |
| 製作者 | キュクロプス三兄弟 |
| 形状 | 鉾、矛、銛 |
| 主な能力 | 大海と大陸を自在に支配する 嵐や洪水を呼び起こす |
| まつわる神話 | ティタノマキアの中で生まれたトライデント(三叉の鉾) アテナとアテナイを巡って戦う トロイア戦争で城壁を一人で完成させる トロイア戦争で戦士のやる気を取り戻す |
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デメテル:豊穣の女神


(Venice) Demeter by Kephisodotos in the Museo archeologico nazionale
| 象徴 | 豊穣の女神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | なし |
| 両親 | 父親:クロノス 母親:レア |
| 配偶神と 子供 | ゼウス:ペルセポネ ポセイドン:デスポイナ、アレイオーン イアシオン:プルートス、ピロメーロス |
デメテルはゼウスの姉で、豊穣を司る女神です。
ゼウスとの間に生まれたコレー(後のペルセポネ)を可愛がっていましたが、ある日冥王ハデスに拐われてしまいました。


Rembrandt – The Rape of Proserpine(1631年)



アフロディーテの命令で放たれたエロースの金の矢によって激しい恋心に襲われたハデスが、目の前にいたペルセポネを冥界にさらったと言われています
コレーはそのまま冥王妃ペルセポネとなり、一年のうち4ヶ月を冥界で過ごすことになったので、その間にデメテルが悲しんで作物が取れない冬が訪れるようになったと言われています。
武器は特にありません。
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アテナ:戦いと知恵の女神


Paul Troger(1739年)
| 象徴 | 戦いと知恵の女神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | アイギスの盾 |
| 両親 | 父親:ゼウス (母親:メティス) |
| 配偶神と 子供 | なし |
アテナはゼウスの子で戦いと知恵の女神です。
メティスが生む子はゼウスを超えると予言され、メティスを飲み込んだゼウスの頭から生まれました。
アテナが女神だったのでゼウスは安心し、アテナを守るためにアイギスの盾を与えたとされています。


| 名称 | アイギスの盾 |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | アテナ |
| 製作者 | ヘパイストス、ヘカトンケイル |
| 形状 | 盾、胸当て、肩当て |
| 主な能力 | 絶対防御 |
| まつわる神話 | ゼウスから譲り受けた雷霆(ケラウノス)の一撃も通さない最強の盾 メデューサの首をはめて完成したアイギスの盾 |
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アレス:戦いの神


Ares (Mars) – the Greek god of war.(1878年)
| 象徴 | 戦いの神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | 盾と槍 |
| 両親 | 父親:ゼウス 母親:ヘラ |
| 配偶神と 子供 | アフロディーテ:エロース、ポボス、デイモス、ハルモニアー |
アレスはゼウスと正妻ヘラの子ですが、ギリシャ神話の中ではあまり扱いが良くなかったそうです。
理由は「戦いの神」としての好戦的で残虐なところが、古代ギリシャの民によく思われていなかったからではないかと言われています。
武器は盾と槍とされていますが、とくに著名な武器は持っていませんでした。



よくある盾と槍で戦っていた、と浅くしか触れられていないところからも冷遇ぶりが伺えます
ヘパイストス:鍛治と炎の神


Ca’ Rezzonico – Vulcano (Inv.085) – Carlo Loth
| 象徴 | 鍛治と炎の神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | なし |
| 両親 | ヘラ |
| 配偶神と 子供 | 妻はアフロディーテ(子供はなし) 大地:エリクトニオス |
ヘパイストスはヘラが一人で生んだ(一説ではゼウスとの子)とされる鍛治と炎の神です。
ギリシャ神話の中で最高の鍛治職人とされ、主要な神々や英雄のほとんどの武器を製作しました。
| 項目 | ![]() ![]() アテナ | ![]() ![]() エロース | ![]() ![]() アポロン | ![]() ![]() ヘルメス | ![]() ![]() アキレウス |
|---|---|---|---|---|---|
| 武器 | ![]() ![]() アイギスの盾 | ![]() ![]() 金の矢・鉛の矢 | ![]() ![]() 金の矢 | ![]() ![]() タラリア | ![]() ![]() アキレウスの盾 |
| 能力 | 雷霆(ケラウノス)の一撃をも防ぐ絶対防御 | 金の矢:射たものに恋心を植え付ける 鉛の矢:射たものに嫌悪感を抱かせる | 必ず当たる 金の矢:人間に疫病をもたらす 銀の矢:苦痛のない死をもたらす | 空を飛んで素早く移動する | 人間界で最強の盾 |



アポロンによってキュクロプス三兄弟が殺されてしまった後には、ゼウスの雷霆(ケラウノス)の製作もヘパイストスが行っています
ヘパイストスは戦いの神ではありませんが、決して弱まらない鍛治の炎を使ったり、斧で応戦することもあります。
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ヘルメス:伝令神


HermesTiepoloClerici.(18世紀)
ヘルメスはゼウスとティタンの女神マイアの子で、伝令神とされています。
伝令神として異世界への行き来を自由にする杖ケーリュケイオンや、高速移動できる翼付きのサンダルタラリアを持っています。


| 名称 | ケーリュケイオン(カドゥケウス) |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ヘルメス |
| 製作者 | 不明 |
| 形状 | 二頭の蛇が巻き付いた杖 |
| 主な能力 | 人間を眠りに誘う 異界と自由に行き来する 亡くなった人間を冥界へ案内する |
| まつわる神話 | 盗んだ牛と交換してアポロンから譲り受けた 人間を眠らせて魂を冥界へ案内する 百目の巨人アルゴスを眠らせて討伐 |


| 名称 | タラリア |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ヘルメス |
| 製作者 | ヘパイストス |
| 形状 | 翼のついた靴 |
| 主な能力 | 空を飛んで素早く移動する |
| まつわる神話 | 伝令神としてゼウスの命令を運んだ 英雄ペルセウスのメデューサ退治で活躍した |
他にも武器としてメデューサ討伐にも貸し出されたハルパーも所持していました。


| 名称 | ハルパー(アダマスの鎌) |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ヘルメス |
| 製作者 | 不明 |
| 形状 | 刀身が湾曲し、刃は内側 |
| 主な能力 | どんな硬い皮膚の魔物でも切り裂く |
| まつわる神話 | クロノスがウラノスを去勢して覇権を奪った ギガントマキアではヘルメスが巨人ヒッポリュトスを倒した 巨人アルゴスの討伐を成功させたヘルメス 英雄ペルセウスに貸出し、メデューサ退治を成し遂げた |
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アポロン:太陽と光の神


FileApollo, God of Light, Eloquence, Poetry and the Fine Arts with Urania, Muse of Astronomy – Charles Meynier (cropped 3).(1798年)
| 象徴 | 太陽と光の神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | 金の矢 |
| 両親 | 父親:ゼウス 母親:レト |
| 配偶神と 子供 | コロニス:アスクレピオス |
アポロンはゼウスとティタンの女神レトの子で、太陽と光、予言を司る神です。
双子の姉(または妹)に月と狩猟の女神アルテミスがいます。



医神アスクレピオスはアポロンの子で、アスクレピオスの杖は現代でも医療のシンボルとされています
アポロンの武器は射れば必ず当たり、人間に疫病をもたらすと言われる金の矢です。


| 名称 | 金の矢・銀の矢 |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | 金の矢:アポロン 銀の矢:アルテミス |
| 製作者 | ヘパイストス |
| 形状 | 矢 |
| 主な能力 | 必ず当たる 金の矢:人間に疫病をもたらす 銀の矢:苦痛のない死をもたらす |
| まつわる神話 | ギガントマキアでは怪物エピアルテスを倒す 愛するオリオンを仕留めてしまったアルテミス 母・レトのためなら怪物でも人間でも容赦なく仕留めた |
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アルテミス:月と狩猟の女神


Artemis (Diana), the Huntress. – Engravings on Wood.(1882年)
| 象徴 | 月と狩猟の女神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | 銀の矢 |
| 両親 | 父親:ゼウス 母親:レト |
| 配偶神と 子供 | なし |
アルテミスはゼウスとティタンの女神レトの子で、月と狩猟を司る女神です。
双子の弟(または兄)に太陽と光の神アポロンがいます。
武器はゼウスに乞うて作ってもらったという、射れば必ず当たり、人間に疫病をもたらすと言われる銀の矢です。



効果・能力はアポロンの金の矢と同じですが、セットで作られたわけではありません


| 名称 | 金の矢・銀の矢 |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | 金の矢:アポロン 銀の矢:アルテミス |
| 製作者 | ヘパイストス |
| 形状 | 矢 |
| 主な能力 | 必ず当たる 金の矢:人間に疫病をもたらす 銀の矢:苦痛のない死をもたらす |
| まつわる神話 | ギガントマキアでは怪物エピアルテスを倒す 愛するオリオンを仕留めてしまったアルテミス 母・レトのためなら怪物でも人間でも容赦なく仕留めた |
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ディオニュソス:ぶどう酒・豊穣神


Dionysus (Bachus) – Greek god of the grape harvest.(1878年)
| 象徴 | ぶどう酒・豊穣神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | テュルソス |
| 両親 | 父親:ゼウス 母親:セメレ |
| 配偶神と 子供 | プリアーポス、ヒュメナイオス、カリス |
ディオニュソスはゼウスと人間の王女セメレの子で、ぶどう酒・豊穣を司る神です。
セメレはゼウスの愛人で、彼女を憎んでいたヘラの策略でディオニュソスを産む前に焼かれて死んでしまいました。


Rubens-Death-of-Semele.(1640年)



ヘラは老女に化けてセメレに「本当にゼウスなのか、本当の姿を見せてほしいとお願いするといい」と吹き込み、雷霆(ケラウノス)を持つ本来の姿のあまりの熱に焼かれてしまったのです
ゼウスはセメレのお腹から子供を取り出して腿の中に埋め込み、臨月まで育ててディオニュソスを産み落としました。
ディオニュソスはテュルソスを持った姿で描かれますが、ディオニュソスだけでなく彼の信者もテュルソスを持っていたと言われています。
なので、ディオニュソスだけの特別な武器ではなかったようです。



ディオニュソスは唯一半神の身でオリュンポス12神ですが、理由は彼が12神に列せられないことを憐れんだヘスティア(ゼウスの姉)が席を譲ったため、と言われています
アフロディーテ:愛と美の女神


Flowersfromshak00cran 0009.(1909年)
| 象徴 | 愛と美の女神 |
|---|---|
| 位置付け | オリュンポス神族 |
| 武器 | なし |
| 両親 | ウラノス |
| 配偶神と 子供 | 夫はヘパイストス(子供はなし) アレス:エロース、ポボス、デイモス、ハルモニアー |
アフロディーテはオリュンポス12神の中で唯一ゼウスの子や兄弟ではありません。
アフロディーテはクロノスがウラノスの男根を切断して海に捨てた時に生まれたので、原初の神に近いです。


Mutilasi Uranus.
しかし、彼女の美しさを称えてゼウスが仲間に入れたと言われています。



アフロディーテはヘパイストスの妻ですが、醜い夫が嫌で美男神だったアレスと不倫関係にあったと言われています
ハデス:冥王


Hades (Pluto). – Engravings on Wood.(1882年)
| 象徴 | 愛と美の女神 |
|---|---|
| 位置付け | 冥王 |
| 武器 | 隠れ兜(キュネエー) |
| 両親 | 父親:クロノス 母親:レア |
| 配偶神と 子供 | 妻はペルセポネ(子供はなし) |
ハデスはゼウスの兄(長兄)で、冥界の王です。
キュクロプスにもらった隠れ兜(キュネエー)を持っており、アテナやヘルメス、ペルセウスなどにも貸したこともあります。
妻はデメテルの娘ペルセポネですが、死の国の住人なので子供はいないとされています。



ハデスとゼウスは対等な関係であり、敵対してはいませんが別の国の王同士なのでオリュンポス12神(ゼウスの部下)には入っていません


| 名称 | 隠れ兜(キュネエー) |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ハデス |
| 製作者 | キュクロプス三兄弟 |
| 形状 | 黒い兜 |
| 主な能力 | かぶったものの姿を消す |
| まつわる神話 | ティタノマキアの中で生まれた ギガントマキアではヘルメスに貸し出された 英雄ペルセウスのメデューサ退治で活躍 トロイア戦争ではアテネが被って参戦した |
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ギリシャ神話原初の神・ティタン神族の家系図


ギリシャ神話の第一世代の原初の神、第二世代のティタン神族の主な神々がこちら。
| 名前 | 位置付け | 両親 | 子供 |
|---|---|---|---|
| カオス | 原初の神 | なし | タルタロス、ガイア、エロース、ニュクス、エレボス |
| 地の果て タルタロス | カオス | ガイア:テュポン | |
| 大地の女神 ガイア | 単独:ウラノス、ポントス タルタロス:テュポン ウラノス:レア、クロノス、オケアノス、テティス、レト など | ||
| 愛の神 エロース | ヘードネー | ||
| 夜の女神 ニュクス | ヘメレ、エリス、ヒュプノス、タナトス、ネメシス など | ||
| 闇の神 エレボス | |||
| 巨大怪物 テュポン | ー | 父親:タルタロス 母親:ガイア | エキドナ:ケルベロス、ヒュドラ、キマイラ、オルトロス |
| 海洋神 ポントス | ー | ガイア | ネーレウス、ドーリス など |
| 天空神 ウラノス | 原初の神々の王 | 単独:アフロディーテ ガイア:レア、クロノス、オケアノス、テティス、レト など | |
| 大地の女神 レア | ティタン神族 | 父親:ウラノス 母親:ガイア | ゼウス、ポセイドン、ハデス、ヘラ、デメテル、ヘスティア |
| 農耕神 クロノス | |||
| 海洋神 オケアノス | メティス など3,000人 | ||
| テテュス | |||
| 光明の女神 ポイベー | レト、アステリア | ||
| コイオス | |||
| 法と掟の女神 テミス | ホーラー三女神、モイライ三女神 | ||
| 記憶の女神 ムネモシュネ | ムーサ9柱 | ||
| クレイオス | アストライオス、ペルセース、パラース | ||
| 輝きの女神 テイアー | クレイオス:アストライオス、ペルセース、パラース ヒュペリオン:ヘリオス、セレネ、エーオース | ||
| ヒュペリオン | ヘリオス、セレネ、エーオース | ||
| イーアペトス | アトラス、メノイティオス、プロメテウス、エピメテウス |
ギリシャ神話は何もない「カオス」から原初の神々(第一世代)が生まれるところから始まります。
そして、ガイアとウラノスの子ら「ティタン神族」が第二世代となり、レアとクロノスの子らが第三世代の「オリュンポスの神々」となっています。



ギリシャ神話の舞台はゼウスが最高神となった第三世代の話が多いです
原初の神々(第一世代)
ギリシャ神話は何もないカオスから原初の神々が生まれるところから始まります。
| 名前 | 位置付け | 両親 | 子供 |
|---|---|---|---|
| カオス | 原初の神 | なし | タルタロス、ガイア、エロース、ニュクス、エレボス |
| 地の果て タルタロス | カオス | ガイア:テュポン | |
| 大地の女神 ガイア | 単独:ウラノス、ポントス タルタロス:テュポン ウラノス:レア、クロノス、オケアノス、テティス、レト など | ||
| 愛の神 エロース | ヘードネー | ||
| 夜の女神 ニュクス | ヘメレ、エリス、ヒュプノス、タナトス、ネメシス など | ||
| 闇の神 エレボス |
ギリシャ神話のほとんどの神はガイアの子孫です。


Feuerbach Gaea.(1875年)
ガイアが自分の子ウラノスと交わってティタン神族たちを生み出し、ウラノスが最初の宇宙を制覇してギリシャ神話は動き出しました。



しかしウラノスが醜いという理由で自分たちの子であるキュクロプスやヘカトンケイルをタルタロスに閉じ込めたことで、ガイアの怒りを買ってティタン神族のクロノスに覇権を奪われます
ちなみにエロースは原初の神ですが、時代を下るとアフロディーテとアレスの子とされるようになります。


Hildegard Lehnert – Lecture to Cupid(1943年)
容姿も青年から幼児へと変化し、現在のキューピッドのモデルとしても知られています。
ただし生まれや容姿が変わっても、エロースの金の矢を持って神や人間を恋に落とすという役割は変わっていません。



エロースの金の矢はギリシャ神話の中でもたびたび放たれ、重要な局面を生み出してきました


| 名称 | 金の矢・鉛の矢 |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | エロース |
| 製作者 | ヘパイストス |
| 形状 | 矢 |
| 主な能力 | 金の矢:射たものに恋心を植え付ける 鉛の矢:射たものに嫌悪感を抱かせる |
| まつわる神話 | 金の矢に射られて乙女を攫った冥王 アポロンとダプネの悲恋 うっかり自分に金の矢を当ててしまったエロースと苦難を乗り越えたプシュケ 英雄を助けるために金の矢に射られた魔女 トロイア戦争の引き金になった駆け落ちをさせてしまう |
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ティタン神族(第二世代)と「神殺しの鎌」
最初の覇者ウラノスに代わって覇権を握ったのは、ティタン神族でウラノスの末の子クロノスでした。
| 名前 | 位置付け | 両親 | 子供 |
|---|---|---|---|
| 大地の女神 レア | ティタン神族 | 父親:ウラノス 母親:ガイア | ゼウス、ポセイドン、ハデス、ヘラ、デメテル、ヘスティア |
| 農耕神 クロノス | |||
| 海洋神 オケアノス | メティス など3,000人 | ||
| テテュス | |||
| 光明の女神 ポイベー | レト、アステリア | ||
| コイオス | |||
| 法と掟の女神 テミス | ホーラー三女神、モイライ三女神 | ||
| 記憶の女神 ムネモシュネ | ムーサ9柱 | ||
| クレイオス | アストライオス、ペルセース、パラース | ||
| 輝きの女神 テイアー | クレイオス:アストライオス、ペルセース、パラース ヒュペリオン:ヘリオス、セレネ、エーオース | ||
| ヒュペリオン | ヘリオス、セレネ、エーオース | ||
| イーアペトス | アトラス、メノイティオス、プロメテウス、エピメテウス |
ガイアの子キュクロプスやヘカトンケイルを「姿が醜い」と言って地の果てタルタロスに幽閉したウラノス。
これに怒ったガイアは末の息子クロノスにアダマスの鎌(ハルパー)を与え、ウラノスの男根を切り落とさせました。


Mutilasi Uranus.
男根を失って自信を喪失したウラノスは隠居し、クロノスが新しい王となってティタン神族の時代が到来しました。
しかしウラノスの最後の予言「お前も自分の子供に覇権を奪われる」という言葉通り、ティタノマキア・ギガントマキアを経て覇権はゼウスに移ったのでした。
「ティタノマキア」「ギガントマキア」とは



ティタノマキアは覇権をかけたティタン神族とオリュンポス神族の戦いです





ギガントマキアはガイアの子供ギガースとオリュンポス神族の戦いです
英雄ヘラクレスが大活躍した戦いです


ティタノマキアとギガントマキアの
主な違いがこちら
| 項目 | ティタノマキア | ギガントマキア |
|---|---|---|
| 構成種族 | ティタン神族 | 巨人族ギガース |
| 原因 | 暴君クロノスから覇権を奪うための戦い | ティタノマキア後にティタン神族がタルタロスに閉じ込められたことを怒ったガイアが起こした戦い (宇宙の覇権争い説もあり) |
| 最大の敵 | クロノス | テュポン |
| ガイアの 立ち位置 | 味方 | 敵 |
| 勝敗 | オリュンポス軍の勝ち | オリュンポス軍の勝ち |



神話の中で同じだとは明言されていませんが、ヘルメスの持つハルパーがアダマスの鎌と同一視されています


| 名称 | ハルパー(アダマスの鎌) |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ヘルメス |
| 製作者 | 不明 |
| 形状 | 刀身が湾曲し、刃は内側 |
| 主な能力 | どんな硬い皮膚の魔物でも切り裂く |
| まつわる神話 | クロノスがウラノスを去勢して覇権を奪った ギガントマキアではヘルメスが巨人ヒッポリュトスを倒した 巨人アルゴスの討伐を成功させたヘルメス 英雄ペルセウスに貸出し、メデューサ退治を成し遂げた |
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ギリシャ神話の英雄の家系図と受け継がれる武器


ギリシャ神話の英雄の家系図がこちら。



英雄の多くはゼウスやポセイドンの血筋でした
ギリシャ神話の英雄一覧がこちら。
| 名前 | 武器 | 両親 |
|---|---|---|
| ヘラクレス | ネメアの獅子の毛皮 ヒュドラの毒矢 | 父親:ゼウス 母親:アルクメネ |
| ペルセウス | ハルパー 隠れ兜(キュネエー) タラリア | 父親:ゼウス 母親:ダナエ |
| アキレウス | アキレウスの盾 | 父親:ペレウス 母親:テティス |
| イアソン | 特になし | 父親:アイソン 母親:ポリュメデ |
| テセウス | 特になし | 父親:ポセイドン※ 母親:アイトラ |
| オデュッセウス | オデュッセウスの弓 | 父親:ラエルテス 母親:アンティクレイア |



ギリシャ神話では自分達の血統の正当性を示すために、ゼウスやポセイドンの子であるとされることも多かったと言われています
英雄たちは神々の加護を受け、怪物討伐や戦争の時に神器を借りたり、一点ものの最高の武具を製作してもらったと言われています。
人間界での争いには神が関与していることも多く、英雄たちは戦いと知恵の女神アテナや父親であるゼウスの加護を受けていました。
神々に与えられた最高の武器は戦いを経て、次世代へと受け継がれたり悲劇を呼んでしまうこともありました。
ヘラクレス:最強の英雄


Hercules and the Lernaean Hydra(1876年)
| 偉業 | 12の試練 ①ネメアの不死身の大獅子(ライオン)退治 ②レルネの9頭を持つ毒蛇(ヒュドラ)の退治 ③ケリュネイアの金の角を持つ鹿の捕獲 ④エリュマントス山の巨大猪の捕獲 ⑤アウゲイアースの30年間掃除していない家畜小屋の掃除 ⑥怪鳥(ステュムパリデス)の退治 ⑦クレタの牡牛の捕獲 ⑧ディオメデスの人喰い馬の捕獲 ⑨アマゾンの女王(ヒッポリュテー)の帯を獲得 ⑩3つの体を持つ巨人(ゲリュオン)の牛の捕獲 ⑪ヘスペリデスの園から黄金のりんごを獲得 ⑫冥界の番犬(ケルベロス)を地上に連れてくる |
|---|---|
| 武器 | ネメアの獅子の毛皮 ヒュドラの毒矢 |
| 両親 | 父親:ゼウス 母親:アルクメネ |
| 配偶者と 子供 | メガラ:テーリマコス、クレオンティアデース、デーイコオーン オムパレ:アゲラーオス、ラモス、ラーオメドーン デイアネイラ:ヒュロス、グレーノス、クテーシッポス、オネイテース、マカリアー へべ:アレクシアレースとアニーケートス |
ヘラクレスはゼウスと王女アルクメネ(ペルセウスの孫)の子で、ギリシャ神話最強の英雄です。
ゼウスはヘラクレスを気に入っており、眠っているヘラの母乳を飲ませて不死にしますが、ヘラは愛人の子であるヘラクレスを憎み、あらゆる試練や狂気をヘラクレスに与えました。
- 赤ん坊のヘラクレスの寝床に毒蛇を放つ
- ヘラの狂気で妻子を炎に投げ入れる
- 贖罪のため12の試練に挑むことに
ヘラクレスは12の試練の中で、ネメアの獅子の毛皮やヒュドラの毒矢を得て英雄としての名声を上げました。
またオリュンポスの神々とギガース(ガイアの産んだ怪物)たちとの戦い(ギガントマキア)でも、怪物のトドメを刺して大いに貢献します。



ギガースは神々では殺せないという予言があったので、ヘラクレスは切り札的存在で活躍しました
「ギガントマキア」とは



ギガントマキアはガイアの子供ギガースとオリュンポス神族の戦いで、英雄ヘラクレスが大活躍した戦いです


ティタノマキアとギガントマキアの
主な違いがこちら
| 項目 | ティタノマキア | ギガントマキア |
|---|---|---|
| 構成種族 | ティタン神族 | 巨人族ギガース |
| 原因 | 暴君クロノスから覇権を奪うための戦い | ティタノマキア後にティタン神族がタルタロスに閉じ込められたことを怒ったガイアが起こした戦い (宇宙の覇権争い説もあり) |
| 最大の敵 | クロノス | テュポン |
| ガイアの 立ち位置 | 味方 | 敵 |
| 勝敗 | オリュンポス軍の勝ち | オリュンポス軍の勝ち |
しかし英雄ヘラクレスの最期は悲劇的でした。
妻デイアネイラを攫ったケンタウロス(ネッソス)をヒュドラの毒矢で倒しますが、ネッソスはデイアネイラに「自分の血は惚れ薬だから夫婦の愛が冷めたときに使うといい」と嘘を言い残します。
デイアネイラはこれを信じてネッソスの血液を採取して保管し、ヘラクレスが昔求愛していたというオイカリア王女イオレーを連れ帰ったときに使用しました。
ネッソスの血液(ヒュドラの毒矢の毒入り)がついた下着をつけたヘラクレスは大いに苦しみ、我が身を焼いて最後を迎えたのでした。


Francisco de Zurbarán 013(1634年)



ヘラクレスはこのまま天に迎えられ、神となった珍しい人間です
ちなみに、このときヘラクレスの祭壇に火を放った友人で英雄のピロクテテスにヒュドラの毒矢は受け継がれました。
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ペルセウス:メデューサを討伐した英雄


Perseus med Medusahuvudet(17世紀)
| 偉業 | メデューサ討伐 ミュケナイ王家の創始者 |
|---|---|
| 武器 | ハルパー 隠れ兜(キュネエー) タラリア |
| 両親 | 父親:ゼウス 母親:ダナエ |
| 配偶者と 子供 | アンドロメダ:アルカイオス、エレクトリュオン、ステネロス、メストル、リュシディケー、ヘレイオス、ゴルゴポネ |
ペルセウスはゼウスと王女ダナエの子で、有名なメデューサ討伐を成し遂げた英雄です。
ダナエの子は父王を殺すと予言され、幽閉されていたダナエをゼウスが見初めてペルセウスが生まれました。
しかし父王は予言を恐れてダナエとペルセウスを川に流し、セリポス島に流れ着いた二人。
時が流れてペルセウスは成長しましたが、ダナエの美しさは変わらず、セリポス島の王がダナエを自分のものにしようと、邪魔なペルセウスを排除するためにメデューサ退治を命じます。
そこでペルセウスは戦いと知恵の女神アテナと伝令神ヘルメスの加護を受け、青銅の盾、ハルパー、隠れ兜(キュネエー)、タラリアを借りました。
ペルセウスは隠れ兜(キュネエー)で姿を隠し、青銅の盾にメデューサを写して直接見ないようにしながら首をハルパーで跳ねました。
そしてタラリア(翼のついたサンダル)で急いで逃げて首を持ち帰り、悪王を倒した後はアテナにメデューサの首を献上したと言われています。


Carvaggio(1595年)



首を受け取ったアテナは、最強の防具アイギスの盾にはめ込みました
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アキレウス:トロイア戦争のギリシャ軍の英雄


Achilles fighting against Memnon Leiden Rijksmuseum voor Oudheden.
| 偉業 | トロイア戦争でギリシャ軍を優勢に導いた |
|---|---|
| 武器 | アキレウスの盾 |
| 両親 | 父親:ペレウス 母親:テティス |
| 配偶者と 子供 | デイダメイア:ネオプレトモス |
アキレウスはペレウス王(ゼウスの孫)と海の女神テティスの子で、トロイア戦争の英雄です。
母は女神ですがアキレウスは人間で不死ではなかったことを憐れんだテティスは、不死にするために冥府のステュクス川にアキレウスを浸しました。



このときテティスがしっかり握っていた踵だけが不死にならず、唯一の弱点となったことから現代ではそこが「アキレス腱」と呼ばれています
アキレウスは戦争に参加すると死ぬことが予言されていたので、テティスは彼を隠しましたがオデュッセウスによって見つかってトロイア戦争に駆り出されてしまいます。
そこでテティスは鍛治の神ヘパイストスに最高の防具を製作させ、アキレウスに装備させました。



テティスはヘパイストスの育ての母と言われている関係性なので、息子アキレウスの鎧を製作してもらったようです
人間界で最高の防具は見ただけで味方の士気を上げて、敵の戦力を減退させたと言われています。
なので総大将アガメムノンと対立し、トロイア戦争の戦場からアキレウスがいなくなると戦況は大きく傾きました。
これを打破するために親友パトロクロスがアキレウスの鎧で出陣してギリシャ軍の士気を上げますが、パトロクロスは敵軍に打ち取られて鎧も奪われてしまいます。


Achilles Removing Patroclus’ Body From the Battle(1547年)
親友の死に激怒したアキレウスは再び戦場に戻りますが、このとき奪われた防具の代わりに製作されたのが人間界最強のアキレウスの盾でした。


Angelo monticelli shield-of-achilles.(1820年)
アキレウスの盾を持つアキレウスは敵将を打ち取り、ギリシャ軍を優勢に導きますが、敵軍のパリス王子に弱点の踵を撃ち抜かれて戦死。
アキレウス亡き後は、智の英雄オデュッセウスがアキレウスの盾を受け継いでギリシャ軍が戦いに勝利しました。
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イアソン:コルキスの黄金の羊の毛皮を獲得


Jason, from ‘Game of Mythology’ (Jeu de la Mythologie) MET DP817651.(1644年)
| 偉業 | コルキスの黄金の羊の毛皮を獲得 |
|---|---|
| 武器 | とくになし |
| 両親 | 父親:アイソン 母親:ポリュメデ |
| 配偶者と 子供 | メデイア:不明 |
イアソンは王位をかけてコルキスの「黄金の羊毛」を手にいれた古代ギリシャの英雄です。
イアソンの旅にはヘラクレスやテセウスなど名だたる英雄が50人も参加しましたが、コルキス王はイアソンが一人で試練を乗り越えるように要求します。
実はイアソンにはヘラ(ゼウスの正妻)とアテナ(知恵と戦いの女神)の加護があり、二人はイアソンのためにアフロディーテに協力を頼みました。
そこでアフロディーテはエロースに金の矢でコルキス王の娘で魔女のメデイアを射抜くように命令。
エロースはイアソンと出会った瞬間にメデイアを金の矢で射抜き、メデイアはイアソンに恋をして試練の助けをしました。


Charles André van Loo – Jason and Medea(1759年)
イアソンに狂気的なまでに恋をしたメデイアは、父を裏切って国宝の「黄金の羊毛」を盗む手伝いもしたのでイアソンは無事に「黄金の羊毛」を手に入れました。
しかし「黄金の羊毛」を持ち帰っても王位を譲らなかった叔父を、メデイアが策略によって亡き者にしてしまったので、イアソンは国を追われることに。
イアソンとメデイアはコリントスに流れつくと、王に気に入られたイアソンは王女グラウケーとの結婚を提案されて受け入れます。
これにメデイアは激怒し、グラウケーと娘を助けようとした王を焼いてしまいました。
さらにイアソンとの子供にも手をかけ、祖父である太陽神ヘリオスから贈られた飛竜の牽く戦車に乗ってメデイアは去ってしまいました。
一人ぼっちになったイアソンは放浪したのちに船の残骸の下敷きになって亡くなるという悲劇的な最期を迎えたと言われています。
テセウス:ミノタウロスを倒した英雄


Theseus and Minotaur, Archibald Fountain.
| 偉業 | ミノタウロス討伐 アテナイ建国に尽力 |
|---|---|
| 武器 | とくになし |
| 両親 | 父親:ポセイドン※ 母親:アイトラ |
| 配偶者と 子供 | ヒッポリュテー:ヒッポリュトス パイドラ:アカマース、デーモポーン |
テセウスは海洋神ポセイドンと王女アイトラの子で、古代ギリシャの国民的な英雄です。



神話の中では父親はアテナイ王アイゲウスという説が一般的です
トロイゼンで育ったテセウスは、16歳になるとアイゲウスに息子として認めさせるためにアテナイに向けて旅立ちます。
テセウスはあえて危険な陸路を選び、道中の山賊や怪物を討ち果たしながらアテナイに入りました。
テセウスが倒した山賊や怪物
- エピダウロスのペリペーテース(旅人を襲う敵)
- コリントス地峡のシニス(旅人を襲う敵)
- クロミュオーンのパイア(クロミュオーンの猪)
- メガラのスケイローン(盗賊)
- エレウシースのケルキュオーン(旅人を襲う敵)
- ヘルメウスのプロクルーステース(山賊)
アテナイでは父王アイゲウスの妻メデイアがテセウスを毒殺しようとしたのを見破り、身に着けていた剣とサンダルによって身の証しをたてて王子であることを証明しました。



メデイアはアテナイを追い出され、テセウスは王子となりました
当時、アテナイではミノス王の命令によって毎年7人の若者と7人の乙女を怪物ミノタウロスへの生贄として捧げるよう強要されていました。


DnD Minotaur.(2017年)
これに怒ったテセウスは生贄の一人としてクレタ島に潜入。
テセウスに一目惚れしたミノス王の娘アリアドネから短剣と赤い麻糸の鞠を受け取り、見事怪物ミノタウロスを討伐しました。


Antoinette Béfort – Theseus and Ariadne.(1812年)



怪物ミノタウロスはダイダロスが作った脱出不能の迷宮にいましたが、赤い麻糸の鞠の糸を入り口に結んでいたおかげでテセウスは脱出できたのです
アイゲウスの跡を継いでアテナイの王となったテセウスですが、その後も王という身で多くの冒険をしました。
しかし長期にわたって国を留守にしたことで隙を突かれて王位を追われ、最期は崖から突き落とされたと言われています。
オデュッセウス:トロイの木馬の発案者で知恵の英雄


Odyssée(1928年)
| 偉業 | トロイの木馬作戦 |
|---|---|
| 武器 | オデュッセウスの弓 |
| 両親 | 父親:ラエルテス 母親:アンティクレイア |
| 配偶者と 子供 | ペネロペ:テレマコス |
オデュッセウスはトロイア戦争におけるギリシャ軍随一の智将として有名です。
イタケ王の子として生まれたオデュッセウスはメッセネという地で弓の名手イピトスと出会い、意気投合して武器を交換し合いました。



オデュッセウスとイピトスは出会ってすぐに意気投合し、友情の証としてお互いの宝物を交換しました
オデュッセウスは受け取った弓を宝物として扱い、トロイア戦争には相応しくないとして持っていきませんでした。
トロイア戦争では智将としてトロイの木馬作戦を考案し、ギリシャ軍を勝利に導きました。


The Procession of the Trojan Horse in Troy by Giovanni Domenico Tiepolo (cropped).(1760年)
しかしトロイア戦争に勝利したオデュッセウスですが、故郷イタケを目指した航海は10年にも及ぶ長く辛い旅路となりました。
帰郷までの困難
- 激しい嵐に見舞われて遥か南のリビュアに流される
- 部下がロートスの果実によって故郷を忘れる
- 一つ目の巨人キュクロプスの洞窟に迷い込む
- ライストリューゴネス人の襲撃
- 魔女キルケー島で1年過ごす
- セイレーンの幻惑
- スキュラの海峡で6人の部下を失う
- ヘリオスの家畜に手を出して部下を全員失う
- カリュプソーの島で7年間過ごす
- ポセイドンによって船を破壊される
イタケを離れてから20年経って、ようやくオデュッセウスは帰郷できました。
オデュッセウスがいなかった20年間、妻で王妃のペネロペが国を守っていました。
しかしトロイア戦争終結から10年経っても戻ってこないオデュッセウスは、すでに亡くなっていると考えられており、オデュッセウスの館はペネロペに求婚する傲慢な男たちに乗っ取られていました。


Penelope and the Suitors(1911年)
これ以上求婚者たちを引き止められないと悟ったペネロペは知恵と戦いの女神アテナに知恵を授かり、オデュッセウスの弓を用いて試練を課します。
「夫が遺したこの大弓の弦を張って、
12本並べた斧の穴を一気に射抜くことができたものと結婚します」
求婚者たちは自分こそは、と弓に挑みますが、誰一人弓を張ることができません。



弓を温めたり油を塗って柔らかくしようとした者もいたそうです
そこに乞食姿のオデュッセウスが自分にも挑戦させて欲しいと現れました。
まわりの求婚者たちはバカにして嘲笑いますが、オデュッセウスはあっさりと弓を張り、見事に斧12本の穴を一気に通して見せました。
オデュッセウスは自身の正体を明かし、自分がいない間に妻や国を奪おうとした挑戦者たちを全員掃討。
イタケ王としての座と妻ペネロペを取り戻して、故郷で無事に暮らしました。
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【まとめ】神器・武器を知ればギリシャ神話はもっと面白い


ギリシャ神話は登場人物が多く、原初の神々から英雄まで長い時間が流れています。
ゼウスを頂点とする神々は何度も戦争をしながら、現代へと続く平和な世界を作ったのです。
ギリシャ神話は膨大ですが、武器・神器から紐解くと時代の流れや神から人間への加護も読み取れます。
ぜひ武器・神器が持つ誕生秘話や神話からギリシャ神話をもっと楽しんでください。
各武器の詳しい誕生秘話・製作者・登場する神話まとめは以下リンク先の詳細記事にまとめていますので、読んでみてくださいね。
| 所有者 | 武器 |
|---|---|
| ゼウス | ![]() ![]() 雷霆(ケラウノス) 世界を焼き尽くす雷 |
| ポセイドン | ![]() ![]() トライデント(三叉の鉾) 大海と大陸を自在に支配する鉾 |
| ハデス | ![]() ![]() 隠れ兜(キュネエー) 姿が消せる兜 |
| アテナ | ![]() ![]() アイギスの盾 最強の絶対防御 |
| ヘルメス | ![]() ![]() ケーリュケイオン 異世界との行き来を可能にする |
![]() ![]() ハルパー どんな硬い皮膚の魔物も切り裂く | |
![]() ![]() タラリア 素早く空を飛んで移動できる | |
| アポロン | ![]() ![]() 金の矢 人間に疫病をもたらす |
| アルテミス | ![]() ![]() 銀の矢 人間に苦痛のない死をもたらす |
| エロース | ![]() ![]() 金の矢・鉛の矢 射た者に恋心・嫌悪感を抱かせる |
| ヘラクレス | ![]() ![]() ネメアの獅子の毛皮 人間のいかなる武器も通さない |
![]() ![]() ヒュドラの毒矢 触れるだけで死に至る猛毒 | |
| アキレウス | ![]() ![]() アキレウスの盾 人間界最強の防御力 |
| オデュッセウス | ![]() ![]() オデュッセウスの弓 王としての正当性を証明 |
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