【イドゥンの林檎】北欧神話のイドゥン武器(アイテム)

【イドゥンの林檎】北欧神話のイドゥン武器(アイテム)
イドゥンと黄金の林檎
名称イドゥンの林檎
神話体系北欧神話
所有者イドゥン
製作者不明
形状黄金の林檎
主な能力食べたものに永遠の若さ(不老)を与える
イドゥンの林檎データベース

イドゥンの林檎は北欧神話に出てくる女神イドゥンのアイテムです。

まい

実は北欧神話の神々(アース神族)は、実は生まれつき「不老不死」ではありません

神々でありながらも人間と同じように、放っておけば老いて、衰え、やがて死んでしまう存在なのです。

そんな神々が若さを保ち続けるために必要不可欠なアイテム、それが女神イドゥンが管理する魔法の林檎です。

イドゥンの林檎は、ひとたび失われれば神々の世界が崩壊の危機に瀕するほどのアスガルドにおける最重要の宝物でした。

以下でイドゥンの林檎について詳しく解説していきます。

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イドゥンの林檎誕生秘話

イドゥンの林檎イメージ

イドゥンの林檎は北欧神話に出てくるアイテムです。

製作者は不明で、どこで手に入るのかも不明とされています。

イドゥンの林檎は女神イドゥンがトネリコの箱に入れて持ち歩いており、常に大切に保管されています。

不思議なことに、神々がいくら黄金の林檎を食べても無くなることはありません

まい

不老不死ではない北欧神話の神々にとって、イドゥンの林檎は重要なアイテムです

イドゥンの林檎の能力

イドゥンの林檎イメージ

イドゥンの林檎の能力は「不老の付与」です。

老いを感じ始めた神々がイドゥンの林檎をかじると、たちまち若々しい姿を取り戻せました。

しかしイドゥンの林檎の効果が永続ではないため、神々は定期的に林檎を食べ続ける必要があります。

林檎がなくなってしまうと、神々は急速に老化して死に向かってしまうため、イドゥンの林檎は北欧神話の中でもとても重要なアイテムなのです。

まい

なので、ロキによってイドゥンと林檎が巨人に攫われてしまったときはとても重大な事件となったのでした

イドゥンの林檎の所有者はイドゥン

Idun 1920.(1920年)
画像出典:Wikimedia commons
Idun 1920.(1920年)

イドゥンの林檎の所有者は女神イドゥンです。

イドゥンは詩の神ブラギの妻であり、美と豊穣の女神フレイヤに劣らない美しい女神だったと言われています。

性格は無邪気でお人好しだったそうです。

イドゥンの林檎はイドゥン以外には管理できず、イドゥンの誘拐は「黄金のリンゴの喪失」を意味します。

まい

つまりイドゥン自身が北欧神話の神々にとってかなり重要な人物だったといえます

イドゥンの林檎にまつわる神話

Iduna, Daughter of Svald by James Doyle Penrose.(1890年)
画像出典:Wikimedia commons
Iduna, Daughter of Svald by James Doyle Penrose.(1890年)

イドゥンの林檎にまつわる神話をまとめました。

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神々の若さを保つ林檎として重宝されていた

Idunn and the Apples of Youth.(1893年)
画像出典:Wikimedia commons
Idunn and the Apples of Youth.(1893年)

イドゥンは黄金の不老の林檎を管理する女神です。

イドゥンの林檎は常にトネリコの木の箱に保管され、神々に配られていました。

北欧神話では神々は不老でも不死でもなかったので、イドゥンの林檎によって若さを保って過ごしていました

林檎の効果は永続的ではなかったので、神々は定期的にイドゥンの林檎を摂取します。

イドゥンの林檎は北欧神話の中でもかなり重要なアイテムでした。

まい

ギリシャ神話では神は不死なので、神話間の明確な違いがわかりますね

ロキによってイドゥンと林檎が巨人に攫われてしまった

Iduna Giving Loki the Apple by H. L. M.(1901年)
画像出典:Wikimedia commons
Iduna Giving Loki the Apple by H. L. M.(1901年)

あるとき邪神ロキが「もっと素晴らしい林檎を見つけたから比べてみよう」とイドゥンを騙して、森から連れ出しました。

待ち構えていた巨人スィアチによって、イドゥンは巨人の国ヨトゥンヘイムに林檎ごと連れ去られてします

まい

実は巨人スィアチに捕まったロキが自分の命を守るために、イドゥンを差し出したのでした

イドゥンの林檎を失った神々は急速に老いさらばえ、ロキに「イドゥンを取り戻すように」と命じます。

ロキはフレイヤから鷹(タカ)の羽衣を借りて巨人の国ヨトゥンヘイムに潜入。

ちょうど巨人スィアチが留守だったので、イドゥンを呪文で胡桃に変えてつまんで逃げました

しかし帰宅してイドゥンがいないことに気づいた巨人スィアチも、鷹に変身して猛スピードでロキを追跡します。

すんでのところでロキは逃げ切り、巨人スィアチはアース神族によって翼を焼かれて墜落して討ち取られました。

アースガルズに戻ったイドゥンはさっそく神々に林檎を配り、神々は若さを取り戻しました。

イドゥンの林檎が現代作品に与える影響

現代作品に与える影響

イドゥンの林檎は「不老アイテム」として現代作品にインスピレーションを与えています。

イドゥンの林檎が現代作品に与える影響

「黄金のリンゴ」のイメージ

イドゥンの林檎イメージ

イドゥンの林檎は現代のゲームやファンタジー作品で「食べると強くなる林檎」として登場します。

またはHP最大値アップや全回復アイテムとして採用されています。

まい

強力なアイテムとして林檎が登場する場合には、イドゥンの林檎がベースになっているケースが多いです

若返りの秘薬としての登場

若返りの秘薬イメージ

イドゥンの林檎はその「不老の付与」という効果から、現代作品における「不老不死の薬」や「エリクサー」のモチーフの一つとなっています。

まい

効果が永続ではない点も共通しており、ゲーム作品でもそのまま転用しやすい設定ですね

林檎は神話と深い関係がある果実として、多くの神話に登場します。

  • 北欧神話:イドゥンの林檎(不老を与える林檎)
  • ギリシャ神話:エリスの不和の林檎(トロイア戦争のきっかけとなる)
  • 旧約聖書:禁断の果実(アダムとイヴの追放に関わる)
エリクサーとは

エリクサーとは主に錬金術における万能薬や霊薬をさします。

RPG「ファイナルファンタジー」シリーズなどでは、HP(体力)とMP(魔力)を完全に回復するかなり貴重なアイテムとして登場。

まい

プログラミング言語の名前や、資生堂のスキンケアブランド「エリクシール」の語源にもなっています

参考文献

  • 佐藤俊之(監修), 造事務所(編著), 『伝説の「武器・防具」が良くわかる本』, PHP文庫, 2007年
  • 佐藤俊之とF.E.A.R(著), 『聖剣伝説』, 新紀元社, 1997年
  • 島崎普(著), 『眠れなくなるほど面白い 図解 ギリシャ神話』, 日本文芸社, 2020年
  • 朝里樹(監修), 『大迫力!NEO伝説の武器・刀剣・防具大図鑑』, 株式会社西東社, 2022年
  • 歴史雑学研究倶楽部(編者), 『ヴィジュアル版 世界の神々と神話事典』, ワン・パリッシング, 2023年
  • ミスペディア編集者(著), 『面白いほどよくわかる伝説の武器:武器への理解が深まる独自考察本』, 2023年
  • 金光仁三郎(監修), 『知っておきたい 伝説の武器・防具・刀剣』, 株式会社西東社, 2010年
  • 日下晃(著), 『ギリシャ神話の教科書シリーズ壮大なるギリシャ神話の世界』, 2023年
  • かみゆ歴史編集部(編), 『マンガ 面白いほどよくわかる!ギリシャ神話』, 株式会社西東社, 2019年
  • 日下晃(著), 『北欧神話の武器や道具』, 2023年
  • 『ゼロからわかる北欧神話』, 生活情報ブックス, 2025年

この記事を書いた人

子供の頃から神話が大好きな主婦です。子供が神話に興味を持ち始めたので、備忘録がてら、いっそ神話武器辞典を作ろう!とサイトを立ち上げました。

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