| 名称 | 雷霆(ケラウノス) |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ゼウス |
| 製作者 | キュクロプス三兄弟 |
| 形状 | 雷 |
| 主な能力 | 世界を焼き尽くす |
雷霆(ケラウノス)はギリシャ神話に出てくる最高神・ゼウスの武器です。
まい本気で放つと宇宙そのものを破壊するとも言われ、ギリシャ神話最強の武器と言われます
ギリシャ神話の最高神ゼウスが神々の王として君臨できる最大の理由は、ギリシャ神話最強の雷霆(ケラウノス)を持っていたからです。
ティタン神族を地底に封印し、不死の怪物すら葬り去った雷霆(ケラウノス)は、一体誰が作り、どのような能力を秘めているのでしょうか？
「宇宙を破壊する」とも形容される雷霆(ケラウノス)の凄まじい能力と、それにまつわる神話の数々を詳しく紐解いていきましょう。
雷霆(ケラウノス)誕生秘話
雷霆(ケラウノス)はギリシャ神話の武器です。
雷霆(ケラウノス)は、鍛冶の腕を持つ巨人族「キュクロプス三兄弟」によって作られました。
ゼウスが彼らを奈落（タルタロス）から解放した際、そのお礼として、ポセイドンのトライデント、ハデスの隠れ兜とともに献上された「神々の三神器」の一つです。
キュクロプス三兄弟とは
- 嵐の精
- 天空神ウラノスと大地母神ガイアの息子たち
- アルゲース（落雷）、ステロペース（電光）、ブロンテース（雷鳴）の3兄弟
- ウラノスに嫌われてタルタロスに落とされていた
- ティタノマキアでゼウスによって解放される
形状は「杖」「槍」「矢」など諸説ありますが、「雷そのもの」という説が有力です。
まい最高神の最強の武器らしく、圧倒的な威力の自然災害がモチーフになっているんですね
雷霆(ケラウノス)の能力
雷霆(ケラウノス)の能力は破壊といえます。
全能神の威光として、ゼウスが一度放てば世界を焼き尽くし、本気で放った際には宇宙そのものを破壊するとすら言われる最強の武器とされています。
神々の戦いティタノマキアでは、雷霆(ケラウノス)の一撃で宇宙をも揺るがし、衝撃波と雷火によってティタン神族を一網打尽に。
まいその威力で原初の神・カオスすら焼き払ってしまったと言われています
10年にも及ぶ戦いにピリオドを打ち、ゼウス率いるオリュンポス軍を勝利に導きました。
文句なしの破壊力を持つこの雷霆(ケラウノス)は、ギリシャ神話の全武器の中でも頂点に君臨します。
他の強力な武器とどのくらい差があるのか、ギリシャ神話最強武器ランキングTOP10の記事でその圧倒的な強さを確認してみてください。
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雷霆(ケラウノス)の所有者はゼウス、アテナも使える
雷霆(ケラウノス)の所有者はギリシャ神話の最高神・ゼウスです。
しかし実はゼウスとメティスの娘・闘いと知恵の女神アテナも雷霆(ケラウノス)を使えるという説もあります。
雷霆(ケラウノス)はキュクロプス三兄弟によって作成されましたが、キュクロプス三兄弟はとある事件によってアポロンに襲撃されて命を落としてしまいました。
アポロンの襲撃によって破壊された雷霆(ケラウノス)の製造所は、炎と鍛治の神・ヘパイストスによって再建。
このときにアテナも手伝ったという説もあり、アテナも雷霆(ケラウノス)を支えると言われているようです。
アテナはゼウスと知恵の女神メティスの娘であり、ゼウスの頭から武装して生まれた特別な女神です。
『アテーナーの誕生』 René-Antoine Houasse（1688年）
父ゼウスからの信頼が最も厚い彼女は、神々の中で唯一、ゼウスの武器庫の鍵を預かり、雷霆を借りることを許されていたとされています。
まいまさに「お気に入りの娘」ならではのエピソードですね
ゼウスやアテナを始めとするギリシャ神話の神々の関係性（家系図）や、武器との関連については「【武器で読み解く】ギリシャ神話の家系図！オリュンポス12神と英雄の神器を解説」で詳しく解説しています。
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雷霆(ケラウノス)にまつわる神話
雷霆(ケラウノス)にまつわる神話をまとめました。
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ティタノマキアの中で生まれた雷霆(ケラウノス)
ヤーコブ・ヨルダーンス（1636年）
雷霆(ケラウノス)は10年にも及ぶティタノマキアの最中に誕生しました。
ゼウス率いるオリュンポスの神々と、クロノス率いる巨神族ティタンが王権をかけて争った戦いをティタノマキアと呼びます。
不死の神々の戦いであるティタノマキアは壮大で、10年経っても膠着状態でした。
ゼウスは祖母のガイアにアドバイスを求め、タルタロスに幽閉されている怪物を解放することにしました。
タルタロスに幽閉されている怪物
- キュクロプス：一つ目で鍛治の名手
- ヘカトンケイル：100本の腕と50本の首を持つ
神酒・ネクタルと神食・アンブロシアを与えられた怪物たちは力を取り戻し、ゼウスに協力すると約束しました。
キュクロプスは礼としてゼウスに雷霆(ケラウノス)、ポセイドンに三叉の鉾(トライデント)、ハデスに隠れ兜(キュネエー)を献上。
大きな力を手に入れたゼウスは雷霆(ケラウノス)と、ヘカトンケイルの投石によってティタノマキアに勝利しました。
まいティタンは神で不死なので、タルタロスに幽閉されることになりました
孫が相手であっても容赦なく放たれた
作者不明（1590年）
アポロンの息子であるアスクレピオスはゼウスの孫ですが、雷霆(ケラウノス)によって命を落としています。
アスクレピオスはケンタウロスの賢者・ケイローンに教えを乞い、飛びぬけた医術を持つまでに成長します。
そして、蛇が持ってきた薬草によってついに死者まで生き返らせることができるようになったアスクレピオス。
医療のシンボルとなったアスクレピオスの杖
しかし、冥府の王・ハデスは死者が取り戻されていくのをみてアスクレピオスを“世界の秩序を乱すもの”としてゼウスに抗議します。
ゼウスも人間が死を克服して神に近づくことに危機感を持っていたため、アスクレピオスを雷霆(ケラウノス)で撃ち抜きました。
これに激怒したアスクレピオスの父・アポロンは、力の差がありすぎて直接ゼウスに抗議できないことから、雷霆(ケラウノス)を作ったキュクロプス三兄弟を襲撃。
必中の金の矢を持つ太陽神アポロン
その結果、アポロンは罰としてオリュンポスの1年間の追放と人間の牧場で羊飼いとして家畜の世話をすることに。
ちなみにアスクレピオスは、騒動後に医学の功績を認められてへびつかい座として天に上がり神の一員となりました。
雷霆(ケラウノス)が現代作品に与える影響
雷霆(ケラウノス)は「最強の破壊力」「神の怒り」「天罰」というイメージの原型として、フィクション作品に大きな影響を与えています。
まい雷霆(ケラウノス)は最高神の最強の武器という強いイメージが受け継がれています
雷霆(ケラウノス)が現代作品に与える影響
「雷属性＝最強・神聖」というイメージ
雷（電気）属性は、現代のゲームやアニメなどの作品の中でも炎や氷と並ぶ主要属性となっています。
自然界でも強い力で避けようがない雷は、「神の力」「絶大な破壊力」として扱われることが多いです。
- ファイナルファンタジー：ラムウ（裁きの雷を落とす賢人）
- ドラゴンクエスト：ギガデイン（勇者が使う最強の雷系の攻撃呪文）
- マイティ・ソー：雷神トール（雷を操る北欧神話で最強クラスの神）
まいアニメポケットモンスターのピカチュウも電気タイプで、とても強い最強のパートナーとして描かれていましたね
「天罰＝神の怒り」としての演出
雷霆(ケラウノス)は神々の戦いや罰を与えるときに活躍した武器です。
現代の作品でもタブーを犯したキャラクターや、お仕置き（ギャグ）として雷に撃たれる演出が多いですよね。
これは雷霆(ケラウノス)による天罰のイメージがわかりやすく受け継がれたものです。
まいシリアスでもギャグでも、読者がわかりやすく「天罰」を連想できるのが多用されている（愛されている）理由ではないでしょうか
「雷を投げる」という攻撃方法の原型
雷霆(ケラウノス)は決まった形状がなく、「雷そのもの」「稲妻を束ねたもの」「ギザギザした投擲（とうてき）武器」として描かれます。
現代作品でも、剣や槍のような決まった形の武器ではなく雷自体が武器として表現される作品もあります。
- ライトニング・ボルテックス（遊戯王）
- ゴッド・エネルの攻撃（ONE PIECE）
- ゼクロム（ポケットモンスター）
まい雷は自然現象の中でも別格の「神の力」という共通認識を作り上げたのが雷霆(ケラウノス)です
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