
| 名称 | レーヴァテイン |
|---|---|
| 神話体系 | 北欧神話 |
| 所有者 | シンモラ |
| 製作者 | ロキ |
| 形状 | 剣、または杖 |
| 主な能力 | 世界樹ユグドラシルのてっぺんにいる雄鶏ヴィゾーヴニルを倒すことができる唯一の武器 |
レーヴァテインは北欧神話に出てくる女巨人シンモラの武器です。
まいレーヴァテインはロキが鍛え、巨人スルトの妻シンモラが箱に入れて9つの鍵をつけて保管していると言われています
神話への登場は少ないものの、あの邪神ロキが鍛えた剣とあって現代作品でも人気です。
以下で謎が多い魔剣レーヴァテインについて詳しく解説していきます。
レーヴァテイン誕生秘話


Processed SAM loki.
レーヴァテインは北欧神話に登場する武器です。
製作者は邪神ロキと言われています。
邪神ロキが冥府の門の前でルーン文字を使って鍛えた、と神話で語られています。
レーヴァテインの製作後は巨人スルトの妻シンモラの手に渡り、レーギャルンの箱に9つの鍵をつけて厳重に保管されました。



北欧神話には実際にレーヴァテインが登場したシーンはありません
バルドルの命を奪ったミスティルテインとは別物


Baldur, A Book of Myths.(1915年)
神話や現代作品によってはレーヴァテインをミスティルテインと同一視しているものもありますが、両者は別物と考えるのが神話の原典に近いです。
ミスティルテインとは光の神バルドルの命を奪ったヤドリギの枝をさします。
バルドルの命を奪ったヤドリギの話
バルドルが見た自身の死の夢を現実にしないために、母フリッグは世界中のあらゆるものに「バルドルを傷つけない」という誓約をさせます。
こうして不死身となったバルドルに物を投げる遊びが神々の間で流行。
これを面白く思わなかった邪神ロキは、老女に化けてフリッグに近づいて「幼いヤドリギだけは誓約させなかった」という情報を得ます。
そしてバルドルの弟で目が不自由なへズを騙し、ヤドリギの枝を投げつけさせました。
投げつけるとヤドリギの枝は矢(剣という説も)となり、バルドルを貫いて命を奪ったと言われています。
ただし「ミスティルテイン」とは「ヤドリギ」を意味する言葉で、剣や矢などではなかったというのが一般的です。
神話からも、ミスティルテインはロキが鍛えたと言われるレーヴァテインとは別物であることがわかります。



どちらもロキが関わったことで混同されているようです
レーヴァテインの能力


レーヴァテインは、世界樹ユグドラシルのてっぺんにいる雄鶏ヴィゾーヴニルを倒すことができる唯一の武器です。
ヴィゾーヴニルはその輝く身体でユグドラシルを明るく照らしている雄鶏と言われています。



実はレーヴァテインは神話の謎かけ詩に出てきただけの、形状も剣か杖かも定かではない武器なのです
「レーヴァテイン(Lævateinn)」という名前は、古ノルド語で「Læva(害、裏切り、破滅)」と「Teinn(枝、杖、棒)」を組み合わせたものと解釈されることが多いです。
名前から推測するとレーヴァテインは杖である可能性が高く、邪神ロキが鍛えたというよりも「ルーン魔法をかけた杖」と考えられます。
ただし当時は「Teinn」を「剣」の詩的な隠語として使用することもありました。
現代では「ロキが鍛えた」という記述と合わせて魔剣レーヴァテインを捉えられる方が圧倒的に多いのです。
レーヴァテインの所有者はシンモラ


Sinmara.(1893年)
レーヴァテインの所有者は女巨人シンモラです。
シンモラは炎の巨人スルトの妻と言われています。
なぜ邪神ロキが鍛えたレーヴァテインがシンモラの手に渡ったのかは不明です。
ちなみにロキがレーヴァテインを振るって戦ったなどのエピソードはなく、シンモラも厳重に保管したという話以外ではレーヴァテインは神話に登場しません。



レーヴァテインを手に入れようとした英雄スヴィプダーグも、結局レーヴァテインを手に入れたのかは不明です
レーヴァテインにまつわる神話


レーヴァテインにまつわる神話をまとめました。
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9つの鍵をつけた箱に入れて保管されている


レーヴァテインは邪神ロキによって鍛えられたあと、女巨人シンモラの手に渡りました。
シンモラはレーヴァテインをレーギャルンの箱に9つの鍵をつけて厳重に保管。
シンモラは決してレーヴァテインを貸し出すことはなく、レーヴァテインを借りるためにはユグドラシルのてっぺんにいる雄鶏ヴィゾーヴニルの尾羽を贈らなければならないと言われています。
ヴィゾーヴニルを倒せる唯一の武器


AM 738 4to Vedrfolnir.
レーヴァテインは神話「スヴィプダーグの歌」で、ヴィゾーヴニルを倒せる唯一の武器として語られています。
英雄スヴィプダーグが運命の女性メングロズがいる城にたどり着いたときに、巨人の番人フョルスヴィーズルに「雄鶏ヴィゾーヴニルを倒せる武器はあるのか」と尋ねます。
巨人の番人フョルスヴィーズルは「それはレーヴァテインだ」と答えます。
英雄スヴィプダーグは「レーヴァテインはどこにあるのか、どうしたら手に入るのか」とさらに問い詰めました。
すると巨人の番人フョルスヴィーズルは「女巨人シンモラが9つの鍵をつけたレーギャルンの箱で厳重に保管している」「手に入れるためにはヴィゾーヴニルの尾羽が必要だ」と返答。
なんとヴィゾーヴニルを倒すための武器なのに、ヴィゾーヴニルの尾羽がないと手に入らないと言われてしまったのです。



神話には英雄スヴィプダーグがこのあとどうしたのかは書かれていません
レーヴァテインが現代作品に与える影響


レーヴァテインは神話での登場はかなり少ないですが、「邪神ロキの剣」「情報が少ない伝説の剣」として現代作品にも少なからず影響を与えています。



レーヴァテインはトリックスターとして人気度・認知度の高いロキの武器として人気なんですね
レーヴァテインが現代作品に与える影響
「ロキの武器として登場」


北欧神話の中で、ロキには特定の武器は出てきません。
しかし邪神ロキが製作したことで、レーヴァテインは現代作品でロキの武器として描かれることがあります。
現代作品例
- Fateシリーズ
- ファイアーエンブレム



ロキは北欧神話でも人気のキャラクターなので、その相棒としてよくレーヴァテインが選ばれています
「炎の剣」としての現代解釈


The giant with the flaming sword(1909年)
北欧神話の原典にはレーヴァテインが炎属性の剣であったという記載はありません。
ただし、現代作品においてはレーヴァテインは炎属性として描かれることが多いです。
これは神話からの連想と解釈による現代の創作が原因と考えられます。
- ロキと火の巨人ロギの混同(ロキが火の属性を持つと混同された)
- 所有者の女巨人シンモラが炎の巨人スルトの妻だったこと
- 「ロキ(火)が作った」と「スルト(炎)の関係者が所有」という連想の結果



ファイナルファンタジーシリーズなどの多くのRPGやカードゲームでは、レーヴァテインは「炎属性の剣」としてイメージされています
ラグナロクではそれまで中立を保っていた炎の巨人が、燃える剣を持ってロキ達とともにアースガルズに攻めてきました。
この神話から、ロキとスルトの関係を深読みして「ラグナロクの最後にスルトが世界を焼いた炎の剣がレーヴァテインだ」と考えられたのではないでしょうか。
「魔剣」「呪いの剣」としてのイメージ


レーヴァテインは「害の枝(Læva-teinn)」という名前の由来や、トリックスターであるロキが作ったという背景から、「正義の聖剣」とは対極の「呪われた魔剣」「災いをもたらす武器」として設定されることも多いです。
神話の中で「ルーンによって鍛えた」とされていることから、ルーン魔剣の代表格としても扱われます。



レーヴァテインはほとんど神話に登場しませんが、ロキが生成したことで「知る人ぞ知る伝説の魔剣」として現代作品にも登場しているのです








