【オデュッセウスの弓】ギリシャ神話オデュッセウスの武器

【オデュッセウスの弓】ギリシャ神話オデュッセウスの武器!誕生秘話・製作者・登場する神話まとめ
オデュッセウスの弓
名称オデュッセウスの弓
神話体系ギリシャ神話
所有者オデュッセウス
製作者不明
形状大きくて強固な弓
主な能力オデュッセウスしか弓を張れない
王としての正当性を証明
オデュッセウスの弓データベース

オデュッセウスの弓はギリシャ神話に出てくる英雄オデュッセウスの武器です。

まい

オデュッセウスはトロイア戦争に参加しましたが、宝物の弓は持っていきませんでした

以下でオデュッセウスの弓について詳しく解説していきます。

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オデュッセウスの弓誕生秘話

オデュッセウスの弓イメージ

オデュッセウスの弓の製作者は不明です。

しかし元を辿ると、弓の名手で太陽と光の神アポロンから授かった弓と言われています。

必中の金の矢を使う弓の名手アポロン

アポロンと金の矢

オデュッセウスは若い頃にメッセネという地で弓の名手イピトスと出会いました。

イピトスの父はオイカリア王のエウリュトスで、アポロンの孫だったので弓術と大弓を授かったと言われています。

このエウリュトスの弓がイピトスにわたり、意気投合したオデュッセウスに渡ったのです。

まい

オデュッセウスとイピトスは出会ってすぐに意気投合し、友情の証としてお互いの宝物を交換しました

オデュッセウスの弓の能力

Odyssée(1928年)
画像出典:Wikimedia commons
Odyssée(1928年)

オデュッセウスの弓には特に能力はありません

しかし、オデュッセウスしか弓を張れないので、イタケに帰郷した際には王としての正当性を証明するアイテムとなりました。

まい

神話にはオデュッセウスの弓で戦争に行って活躍する話はありませんが、求婚者たちを掃討した話として大弓の威力が語り継がれています

「選定武器」の原型となったオデュッセウスの弓ですが、格付けするとは何位にランクインするのでしょうか?

気になる順位はギリシャ神話の最強武器ランキングの記事で発表していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。

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オデュッセウスの弓の所有者はオデュッセウス

Odyssée(1928年)
画像出典:Wikimedia commons
Odyssée(1928年)

オデュッセウスの弓の所有者はオデュッセウスです。

しかしもともとは、若い頃にメッセネという地で出会った弓の名手イピトスのもので、さらに遡ると太陽と光の神アポロンの所有物でした。

弓の所有者変遷

  • アポロン(太陽と光の神)
  • エウリュトス(オイカリア王)
  • イピトス
  • オデュッセウス(イタケ王)

オデュッセウスとイピトスは出会ってすぐに意気投合し、友情の証としてお互いの宝物を交換しました。

まい

代わりにオデュッセウスは自分の宝だった剣と槍を送りました

弓はとても強固な大弓で、オデュッセウスはこの弓をとても大切に扱います

トロイア戦争に行くことになったときも、宝物のオデュッセウスの弓が故郷に残す妻子を守ってくれるようにと置いていきました。

これが後に故郷に帰ったときに自分がオデュッセウスであることを証明に役立ちました。

英雄たちを含めたギリシャ神話の神々の関係性(家系図)や、武器との関連については「【武器で読み解く】ギリシャ神話の家系図!オリュンポス12神と英雄の神器を解説」で詳しく解説しています。

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オデュッセウスの弓にまつわる神話

オデュッセウスの弓イメージ

オデュッセウスの弓にまつわる神話をまとめました。

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故郷に帰ったときに自分がオデュッセウスであることを証明

The Return of Ulysses.(1915年)
画像出典:Wikimedia commons
The Return of Ulysses.(1915年)

オデュッセウスはトロイア戦争でギリシャ軍を勝利に導きますが、苦難に見舞われて故郷のイタケに帰るまでに10年もかかってしまいます。

まい

トロイア戦争ですでに10年も経っていたので、オデュッセウスが出立から帰郷するまでに20年も経ってしまったのでした

故郷のイタケでは20年間、妻で王妃のペネロペが国を守っていました

しかしトロイア戦争終結から10年経っても戻ってこないオデュッセウスは、すでに亡くなっていると考えられており、オデュッセウスの館はペネロペに求婚する傲慢な男たちに乗っ取られていました。

Penelope and the Suitors(1911年)
画像出典:Wikimedia commons
Penelope and the Suitors(1911年)

これ以上求婚者たちを引き止められないと悟ったペネロペは知恵と戦いの女神アテナに知恵を授かり、オデュッセウスの弓を用いて試練を課します。

「夫が遺したこの大弓の弦を張って、
12本並べた斧の穴を一気に射抜くことができたものと結婚します」

求婚者たちは自分こそは、と弓に挑みますが、誰一人弓を張ることができません

まい

弓を温めたり油を塗って柔らかくしようとした者もいたそうです

そこに乞食姿のオデュッセウスが自分にも挑戦させて欲しいと現れました。

まわりの求婚者たちはバカにして嘲笑いますが、オデュッセウスはあっさりと弓を張り、見事に斧12本の穴を一気に通して見せました

オデュッセウスは自身の正体を明かし、妻ペネロペも大喜びしました。

求婚者たちを掃討し、無事に妻子と暮らした

BarbierPenelopeUlysse(1789年)
画像出典:Wikimedia commons
BarbierPenelopeUlysse(1789年)

イタケ王妃のペネロペの試練によって、オデュッセウスが本物であることが証明されます。

試練を成功させたオデュッセウスは、乞食の服を脱ぎ捨てて正体を明かし、妻ペネロペとイタケ王の座を狙っていた求婚者たちに弓を向けます

そのままリーダー格のアンティノオスを撃ち抜いたオデュッセウスは、息子テレマコスとともに求婚者たちを掃討

イタケ王としての座と妻ペネロペを取り戻して、故郷で無事に暮らしました。

まい

神話の中でオデュッセウスの弓は「王の正当性を示す試練の武器」から「不義者をさばく天罰の武器」として扱われています

オデュッセウスの弓が現代作品に与える影響

現代作品に与える影響

オデュッセウスの弓は「カタルシス(ざまぁ展開)」の原型として現代作品に影響を与えています。

オデュッセウスの弓が現代作品に与える影響

「選ばれし者にしか使えない武器」の原型

選ばれし者にしか使えない武器イメージ

オデュッセウスの弓は選ばれし者(オデュッセウス)しか扱えませんでした。

これは武器の持ち主の「資格」「正当性」を証明する強力な設定の原型です。

選ばれし者の武器例

  • エクスカリバー:王の血筋・運命を持つものだけが抜ける剣
  • ムジョルニア:高潔なものだけが持ち上げられるハンマー
  • 各種聖剣:選ばれたものにしか使えない剣
まい

ゲームなどでは伝説の武器が目覚めるという設定もあり、オデュッセウスの弓があっさり曲がって弦が張れたシチュエーションと似たものもあります

「変装した主人公の逆転劇」の原型

変装のイメージ

オデュッセウスの弓の神話で一番爽快感のある「嘲笑われていた人物が実は最強の主人公だった」という逆転劇も現代作品によく用いられる設定です。

  • ロビン・フッド:お尋ね者が変装して弓術大会に出て優勝し、敵の鼻を明かす
  • 水戸黄門:隠居のお爺さんが実は副将軍で、悪党を正当に裁く
  • ルーク・スカイウォーカー:ただの農夫がジェダイの騎士の地を引く英雄で、フォースを覚醒させて戦う
まい

あえて正体を隠しているパターンだけでなく、突然目覚めるパターンもありますね

「試練(コンテスト)」による決着

オデュッセウスの弓はラストシーンで「最強は誰か(次期王は誰か)」を試練で決めました

現代の作品でもクライマックスでトーナメント戦が設定される展開があります。

これはオデュッセウスの弓の神話のように、誰が一番なのか読者にわかりやすく提示したり、主人公の正当性や勝利を際立たせる効果があります。

まい

オデュッセウスの弓は「選ばれし証明」「逆転劇(ざまぁ展開)」「コンテストによる決着」など多方面で現代作品にも少なからず影響しているのです

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参考文献

  • 佐藤俊之(監修), 造事務所(編著), 『伝説の「武器・防具」が良くわかる本』, PHP文庫, 2007年
  • 佐藤俊之とF.E.A.R(著), 『聖剣伝説』, 新紀元社, 1997年
  • 島崎普(著), 『眠れなくなるほど面白い 図解 ギリシャ神話』, 日本文芸社, 2020年
  • 朝里樹(監修), 『大迫力!NEO伝説の武器・刀剣・防具大図鑑』, 株式会社西東社, 2022年
  • 歴史雑学研究倶楽部(編者), 『ヴィジュアル版 世界の神々と神話事典』, ワン・パリッシング, 2023年
  • ミスペディア編集者(著), 『面白いほどよくわかる伝説の武器:武器への理解が深まる独自考察本』, 2023年
  • 金光仁三郎(監修), 『知っておきたい 伝説の武器・防具・刀剣』, 株式会社西東社, 2010年
  • 日下晃(著), 『ギリシャ神話の教科書シリーズ壮大なるギリシャ神話の世界』, 2023年
  • かみゆ歴史編集部(編), 『マンガ 面白いほどよくわかる!ギリシャ神話』, 株式会社西東社, 2019年
  • 日下晃(著), 『北欧神話の武器や道具』, 2023年
  • 『ゼロからわかる北欧神話』, 生活情報ブックス, 2025年

この記事を書いた人

子供の頃から神話が大好きな主婦です。子供が神話に興味を持ち始めたので、備忘録がてら、いっそ神話武器辞典を作ろう!とサイトを立ち上げました。

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