
| 名称 | ピナーカ アジガヴァ |
|---|---|
| 神話体系 | インド神話(ラーマーヤナなど) |
| 所有者 | 破壊神シヴァ ジャナカ王家(継承) |
| 製作者 | 工匠神ヴィシュヴァカルマン(諸説あり) |
| 形状 | 神弓 |
| 主な能力 | 都市を一撃で破壊する威力 誰も持ち上げられない重量 |
ピナーカはインド神話に出てくる破壊神シヴァの武器です。
まいシヴァは別名「ピナーカパーニ(ピナーカを持つ者)」とも呼ばれ、ピナーカは三叉槍(トリシューラ)と並ぶシヴァの戦闘神性を表す武器です
ピナーカの威力は凄まじく、伝説のアスラ都市「トリプラ」を滅ぼした兵器としても語られます(※諸説あり)。
しかし、ピナーカが最も有名なのはその活躍よりも「最期」のエピソードです。
英雄ラーマ(ヴィシュヌの化身)が、シヴァ神の弓であるピナーカを「へし折る」ことで、ヒロインであるシーターとの結婚を勝ち取るという、物語の重要な鍵(キーアイテム)として登場します。
「使われてこそ最強」のガーンディーヴァやヴィジャヤとは異なり、「折られることで伝説になった弓」について解説します。
ピナーカ誕生秘話


Brahma 1820.
ピナーカの誕生には、ヴィシュヌの弓「シャルンガ」との対比が含まれています。



一部伝承では、工匠神ヴィシュヴァカルマンがヴィシュヌの弓シャルンガと対になる存在としてピナーカを作ったとも語られます
ある時、創造神ブラフマーは「ヴィシュヌとシヴァ、どちらが強いのか?」を知りたくなり、二神を煽って戦わせました。
シヴァがピナーカを、ヴィシュヌがシャルンガを構えて激突しましたが、戦いは決着がつかず、世界が壊れそうになったため中止されました(一説にはヴィシュヌの気迫でピナーカが硬直して引き分けたとも)。
戦いの後、シヴァはピナーカを地上(ミティラー王国)の王族であるデヴァラータ(ジャナカ王の先祖)に授けました。
以来、ピナーカは「シヴァ・ダヌ(シヴァの弓)」としてジャナカ王家で厳重に保管されることになりました。
ピナーカの能力


ピナーカの最大の特徴は威力もさることながら、その「異常な重量」にあります。
- 神々や英雄でも扱えない重量
- 一撃必殺の破壊力
神々、アスラ、ヤクシャ(夜叉)、そして地上のあらゆる王や英雄たちがピナーカを使おうと挑戦しましたが、弦を張るどころか、地面から持ち上げることすらできませんでした。
唯一、ジャナカ王の娘である幼いシーターだけが、掃除のために軽々と持ち上げて動かしていたと言われます。


Sita in exile.(20世紀初頭)
ピナーカは破壊力も凄まじく、シヴァが使用した際は、天・空・地にある三つの都市(トリプラ)を一撃で貫き、灰にするほどの火力を発揮しました。



一部の『マハーバーラタ』系伝承では、魔都市トリプラの破壊にはカルナの神弓ヴィジャヤが使われたという説もあります
ピナーカは単なる武器ではなく、宇宙の破壊と再生サイクルの始動、カルマ清算などを象徴する神具とされます。
インド神話の破壊神シヴァの神弓は格付けするとは何位にランクインするのでしょうか?
気になる順位はインド神話の最強武器ランキングの記事で発表していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
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ピナーカの所有者はシヴァ


Bearded Shiva.(1940年)
ピナーカの主な所有者は破壊神シヴァです。
シヴァの武器
破壊と再生を司る最高神シヴァは 虎の皮をまとい、体中に灰を塗った苦行者の姿で描かれ、右手には必ずトリシューラを握っています。
また砂時計のような形の小太鼓「ダマル」や、数珠、斧などを手に持っている姿もよく描かれます。
ピナーカやこれらの道具は、悪を滅ぼし宇宙のバランスを保つ力や、創造と破壊のサイクルを象徴しているとされます。
シヴァは「ピナーカパーニ(ピナーカを持つ者)」と呼ばれ、これはシヴァの戦闘神としての側面を象徴する称号でもあります。
ピナーカにまつわる神話


ピナーカにまつわる神話をまとめました。
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魔都トリプラの破壊(シヴァの武勲)


Album Cover with Shiva as the Destroyer of the Three Cities of the Demons (Tripurantaka) LACMA M.2003.213 (7 of 9).(1875年)
一般的な伝承や『シヴァ・プラーナ』などでは、魔都市トリプラの破壊にピナーカ、あるいは宇宙規模の弓(メルー山・マンダラ山など)が使われたとされています。
かつてアスラ(魔族)たちが、金・銀・鉄でできた三つの飛行都市「トリプラ」を作り上げ、世界を支配したことがありました。



トリプラはアスラ族の建築家マヤースラの傑作と言われ、1つ目は地上にあって鉄でできた町、2つ目は空中に浮かぶ銀でできた町、3つ目は天界にある金でできた町の3構造都市と言われています
この都市は「千年に一度、三つの都市が一列に並んだ瞬間に、ただ一本の矢でしか破壊できない」という無敵の加護を持っていました。
シヴァはピナーカに「パーシュパタ(またはヴィシュヌを矢じりにした矢)」をつがえ、三つの都市が一列に並んだ瞬間を射抜き、悪魔たちを焼き尽くしました。
一部プラーナでは、この時の弓はメルー山そのものとされ、宇宙そのものを武器化した戦いとして描かれます。
ラーマによる破壊(シーターの婿選び)


Sita Swayamvar.(1900年代初期)
時が経ち、ミティラー国のジャナカ王は、娘シーターの結婚相手を決めるための「スヴァヤンヴァラ(婿選びの儀式)」を開催しました。
条件はただ一つ、「先祖代々伝わるシヴァの強弓(ピナーカ)を持ち上げ、弦を張ること」。
世界中の王や英雄が挑みましたが、ピクリとも動きません。
しかし最後に現れたアヨーディヤーの王子ラーマ(ヴィシュヌの化身)は、ピナーカを軽々と持ち上げました。
そして弦を張ろうと力を込めた瞬間、あまりの剛力に弓が耐えきれず、雷鳴のような轟音とともに真ん中からバッキリと折れてしまいました。
この「神の弓を破壊するほどの強さ」が証明となり、ラーマはシーターを妻に迎えることができたのです。
ちなみにこの出来事を聞きつけて激怒したのが、シヴァの弟子であるパラシュラーマでした。
「師匠の弓を折るとは何事か!」とラーマに決闘を挑みますが、ラーマがヴィシュヌの弓(シャルンガ)も見事に扱ってみせたことで彼がヴィシュヌの化身であることを悟り、矛を収めて去っていきました。



ヴィシュヌにはラーマだけでなく、10種の化身(アヴァターラ)があるとされ、一種の複合神としての一面を持つ神です
ピナーカが現代作品に与える影響


ピナーカは現代でも「広範囲を破壊する兵器」の代名詞として使われています。



日本ではゲーム作品での登場で有名です
- 『女神転生シリーズ』
シヴァの専用スキルや武器として登場
「ピナーカ」という名前で、敵全体に大ダメージを与える物理攻撃などとして描写される - 『モンスターストライク』など
キャラクター名や武器名として登場
また、インド国防省が開発した多連装ロケットランチャーシステム(MBRL)の名前には、この弓にちなんで「ピナーカ(Pinaka)」と名付けられています。
シヴァの代表的な武器であるトリシューラほどではありませんが、ピナーカも強力な神具として現代作品に影響を与えています。
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