
| 名称 | スレイプニル |
|---|---|
| 神話体系 | 北欧神話 |
| 所有者 | オーディン |
| 製作者 | 父:スヴァジルファリ(巨人の馬) 母:ロキ(雌馬に変身した姿) |
| 形状 | 8本の足を持つ灰色の馬 |
| 主な能力 | 世界最速の脚力 空や海の上を走れる 死者の国ヘルヘイムへの境界を越えられる |
スレイプニルは北欧神話に出てくる主神オーディンの世界最速の馬です。
まいなんとスレイプニルは雌馬に変身した邪神ロキが産んだ馬でした
北欧神話の主神オーディンが戦場を駆けるとき、また冥府への旅路を行くとき、彼を乗せるのは「8本足」を持つ奇妙な馬スレイプニルです。
「滑走するもの」という名を持つスレイプニルは、空を飛び、海を渡り、死者の国へさえ到達できる世界最速の神馬ですが、その誕生には邪神ロキの、あまりにも衝撃的な「変身」と「出産」の物語が隠されていました。
以下でスレイプニルについて詳しく解説していきます。
スレイプニル誕生秘話


Ardre Odin Sleipnir.
スレイプニルは北欧神話に登場する世界最速の馬です。
父親は巨人の馬スヴァジルファリで、母親は邪神ロキと言われています。



邪神ロキは男神ですが、老若男女、動物などあらゆるものに変身できました
スレイプニルの誕生は、アースガルズの城壁建設にまつわる事件がきっかけでした。
オーディン率いるアース神族が人間の国ミズガルズやアースガルズの宮殿ヴァルハラを建てていた頃、正体不明の石工(実は巨人)が現れました。
石工は「アースガルズを守る堅固な城壁を冬の間に完成させるから、報酬として女神フレイヤ、太陽、月をくれ」と言いました。
神々はとんでもない!と怒りましたが、邪神ロキが「たった一冬で完成できるはずがない」と助言。
さらに石工がたった一人(ただし自分の馬だけは自分の馬だけは使ってもいい)で城壁を作るならいいだろう、と条件を出しました。
ところが石工の馬スヴァジルファリはとんでもない怪力で、夜通し巨石を運び続けるので城壁は期限内に完成しそうになります。
焦った神々は「ロキのせいだ!なんとかしろ!」と責めたので、ロキは美しい雌馬に変身してスヴァジルファリを誘惑して森へ誘い出しました。
スヴァジルファリを失った石工はあと少しのところで城壁を完成させられず、悔しさから正体を現して「巨人の怒り(ヨトゥンモーズ)」を露わにします。
そして神々に襲いかかりますが、ちょうど東方遠征から帰還した雷神トールがミョルニルで応戦して撃破しました。
その後、スヴァジルファリとの間に子供を身籠ったロキは8本足の馬スレイプニルを出産。
スレイプニルはオーディンに献上されました。
スレイプニルの能力


Odin rides to Hel.(1908年)
スレイプニルは世界最速の能力だけでなく、あらゆる地形や境界を無効化すると言われています。
- 全地形対応
大地だけでなく、空や海も駆けることができる - 次元を越える
生者の世界と死者の世界の間にある越えられない壁や川を越え、生きたまま死の国へ行ける唯一の馬 - 抜群の安定性
8本足なので決して転ぶことがなく、唯一無二の速度と安定性を実現



スレイプニルは優秀だったので、オーディンは戦場に出るときはいつもグングニルを携えてスレイプニルに乗っていたと言われています
スレイプニルの所有者はオーディン


Odin, Sleipnir, Geri, Freki, Huginn and Muninn by Frølich.(1895年)
スレイプニルの所有者は主神オーディンです。
邪神ロキからスレイプニルを献上されてから、愛馬として戦場でも平時でも常に共にあったと言われています。
ラグナロクでも、黄金の兜をかぶってグングニルを携え、スレイプニルに乗って大狼フェンリルと共に戦いました。
しかし健闘虚しく、最期はオーディンとともにフェンリルに飲み込まれてしまいました。
スレイプニルにまつわる神話


Odin riding Sleipnir.
スレイプニルにまつわる神話をまとめました。
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バルドルを生き返らせるためのヘルモーズの冥府下りを可能にした


Hermod before Hela.(1909年)
ロキの策略によって光の神バルドルがミスティルテインに貫かれて亡くなったとき、オーディンの息子ヘルモーズがバルドルを連れ戻すために死の国ヘルヘイムに向かいました。



ヘルモーズの母親について神話に詳細はありませんが、バルドルとは異母兄弟であったようです
邪神ロキの策略
バルドルの悪夢を心配した母フリッグは、世界中の物、病気、植物に「決してバルドルを傷つけない」という誓約をさせます。
フリッグの誓約によってバルドルが不死身になったことを祝って、神々はバルドルにあらゆる物を投げつける遊びを始めました。
神々が盛り上がる中、面白くない邪神ロキはロキは老女に化けてフリッグに近づき、「本当に万物が誓ったのか」聞き出しました。
フリッグはつい「ヴァルハラの西にあるミスティルテイン(ヤドリギ)だけは若すぎ他ので誓わせなかった」という情報を漏らしてしまいます。
ロキは急いでミスティルテインを手にいれ、遊びの輪に入れなかったバルドルの弟で盲目の神ヘズをそそのかして枝を投げさせました。
誓約をしていなかったミスティルテインはまっすぐにバルドルを貫き、その場で絶命してしまいました。


Baldur, A Book of Myths.(1915年)



バルドルが亡くなったことがきっかけとなり、世界はラグナロクへ進み始めるのです
ヘルモーズが死の国ヘルヘイムの女王ヘルと交渉できるように、オーディンは愛馬であるスレイプニルを貸し出しました。
スレイプニルが冥府の入り口にある「ギョッル」という高い柵を乗り越えたので、ヘルモーズは生きたまま死の国ヘルヘイムへと入ることができたのです。
巨人フリングニルと賭けレースを行った


ある日オーディンがスレイプニルに乗って巨人の国を探索していると、巨人フリングニルに「私の馬グルファクシの方が速い」と挑発されます。
オーディンは挑発に乗って、スレイプニルとグルファクシのレースが行われることとなりました。
グルファクシも名馬ではありましたが、世界最速のスレイプニルには敵わず、圧倒的な速さでアースガルズの門まで逃げ切りました。
巨人フリングニルはそのままオーディンのヴァルハラ宮殿に入ってしまったのでオーディンは客としてもてなしますが、酒によって暴言を吐いたため雷神トールの逆鱗に触れてしまいます。
後日、トールとフリングニルは決闘しましたが、ミョルニルの圧倒的な破壊力で頭をかち割られてしまいました。


Thor und Hrungnir.(1865年)



ちなみにフリングニルの馬グルファクシは、この決闘で巨人の足に下敷きになったトールを助けたマグニ(トールの息子)に与えられました
スレイプニルが現代作品に与える影響


スレイプニルは「最速の馬」「高速移動」の象徴として現代でも広く愛されています。
スレイプニルが現代作品に与える影響
ゲームでの登場


スレイプニルは召喚獣としてオーディンの馬として登場したり、敵として「スレイプニル」の名前で登場します。
またゲームなどで登場する特殊車両で、タイヤの数が多い6輪車や8輪車のネーミングで採用されているケースもあります。
Webブラウザ「Sleipnir」


スレイプニルは日本で開発されたWebブラウザの名前にも採用されています。
スレイプニルの「最速」「安定性」「高機能」というイメージから名付けられました。



古代の神話が元となって最新技術や現代ゲームに名前が採用されているのは、なんだかエモいですよね








