
| 名称 | トライデント(三叉の鉾)、トリアイナ |
|---|---|
| 神話体系 | ギリシャ神話 |
| 所有者 | ポセイドン |
| 製作者 | キュクロプス三兄弟 |
| 形状 | 鉾、矛、銛 |
| 主な能力 | 大海と大陸を自在に支配する 嵐や洪水を呼び起こす |
トライデント(三叉の鉾)はギリシャ神話に出てくる海洋神・ポセイドンの武器です。
まい風と水を自由に操ったり、兵士のやる気を取り戻すと言われています
ギリシャ神話の三大神の一柱、ポセイドンが振るうトライデント(三叉の矛)は、単なる漁具ではありません。
一振りすれば嵐を呼び、大地を突けば巨大地震を引き起こす。
その威力は、ゼウスの雷霆(ケラウノス)にも匹敵する「災害級」の破壊力を持っています。
この記事では、世界地図すら書き換えるトライデントの恐るべき能力や、アテナとの争いなどの神話エピソード、そして現代のゲームや映画に与えた影響を徹底解説します。
トライデント(三叉の鉾)誕生秘話
トライデント(三叉の鉾)はギリシャ神話に登場する武器です。
トライデント(三叉の鉾)の製作者はキュクロプス三兄弟と言われ、ゼウスとともにタルタロスから開放してもらったお礼に献上されました。


キュクロプス三兄弟とは
- 嵐の精
- 天空神ウラノスと大地母神ガイアの息子たち
- アルゲース(落雷)、ステロペース(電光)、ブロンテース(雷鳴)の3兄弟
- ウラノスに嫌われてタルタロスに落とされていた
- ティタノマキアでゼウスたちによって解放される
形状は三叉の鉾(ほこ)、三叉槍とも言われていますが、「銛(もり)」である説が有力です。
トライデントの語源はギリシャ語の「トリアイナ」という先端が三つに分かれた漁具と言われています。



ポセイドン自身も海を司る神なので、海の武器である「銛(もり)」が妥当とも考えられますよね
トライデント(三叉の鉾)の能力


トライデント(三叉の鉾)の能力は大海と大陸を自在に支配できることと、嵐や洪水を呼び起こすことです。
ポセイドンがトライデント(三叉の鉾)を一振りすれば海が荒れて嵐が起こ流と言われています。
さらに万物を木端微塵に砕いたり、世界そのものを揺さぶる強大な地震を引き起こすことも可能とも言われています。



あまりに強力な能力なので、冥王ハデスは大地が裂けて冥界があらわになってしまうのでは⁉︎と危惧したほどだとか
ティタノマキアでは、その強力な力をゼウスの雷霆(ケラウノス)との相乗効果で存分に発揮してゼウス軍(オリュンポス軍)を勝利に導きました。
ほかにも、ポセイドンはトライデント(三叉の鉾)を使って山脈を真っ二つに引き裂いて河を造ったり、山々と大地を深く切り抜いて海中へと投げて島を造ったと言われています。
大地を割り、海を統べるこの力は、ゼウスの雷霆(ケラウノス)にも匹敵すると言われます。
では、実際に格付けすると何位にランクインするのでしょうか?
気になる順位はギリシャ神話の最強武器ランキングの記事で発表していますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
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トライデント(三叉の鉾)の所有者はポセイドン


トライデント(三叉の鉾)の所有者は海洋神のポセイドンです。
ポセイドンはギリシャ神話の最高神・ゼウスの兄で、「海のゼウス」と呼ばれたり、神話の中でも2番目に偉いと言われています。
そんなポセイドンの息子・トリトンの武器もトライデントです。
トリトンは上半身が人型・下半身が魚と
言われています


トリトンはポセイドンと正妻アンフィトリーテの息子で、深海を司る神として海中の黄金宮殿に住んでいます。
ポセイドンは短気で嵐や風を起こすと言われていますが、トリトンは嵐を鎮める神と言われ、安全祈願を願う全日本空輸のシンボルカラー「トリトンブルー」としても愛されています。
ポセイドンを始めとするギリシャ神話の神々の関係性(家系図)や、武器との関連については「【武器で読み解く】ギリシャ神話の家系図!オリュンポス12神と英雄の神器を解説」で詳しく解説しています。
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トライデント(三叉の鉾)にまつわる神話


トライデント(三叉の鉾)にまつわる神話をまとめました。
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ティタノマキアの中で生まれたトライデント(三叉の鉾)


ヤーコブ・ヨルダーンス(1636年)
トライデント(三叉の鉾)は10年にも及ぶティタノマキアの最中に誕生しました。
ゼウス率いるオリュンポスの神々と、クロノス率いる巨神族ティタンが王権をかけて争った戦いをティタノマキアと呼びます。
不死の神々の戦いであるティタノマキアは壮大で、10年経っても膠着状態でした。
ゼウスは祖母のガイアにアドバイスを求め、タルタロスに幽閉されている怪物を解放することにしました。


タルタロスに幽閉されている怪物
- キュクロプス:一つ目で鍛治の名手
- ヘカトンケイル:100本の腕と50本の首を持つ
神酒・ネクタルと神食・アンブロシアを与えられた怪物たちは力を取り戻し、ゼウスに協力すると約束しました。
キュクロプスは礼としてゼウスに雷霆(ケラウノス)、ポセイドンに三叉の鉾(トライデント)、ハデスに隠れ兜(キュネエー)を献上。
ゼウスの雷霆(ケラウノス)、ポセイドンのトライデント(三叉の鉾)の相乗効果によって、ゼウスたちオリュンポス軍がティタノマキアで勝利しました。



ティタンは神で不死なので、タルタロスに幽閉されることになったのです
アテナとアテナイを巡って戦う
ポセイドンはアテナイの支配権をめぐって、闘いと知恵の女神・アテナと戦ったと言われています。
ゼウスの娘・ポセイドンの姪
闘いと知恵の女神・アテナ


勝敗は戦いではなく、アテナイの民にとって有益な贈り物をした方が勝ち、というルールでした。
ポセイドンはトライデント(三叉の鉾)を大地に突き立てて塩水の泉を発生させました。
対するアテナはオリーブの木を発生させたので、より有益だったアテナがアテナイの支配権を獲得。
しかし、このときのポセイドンの塩水の泉は、アテナイのアクロポリスに長い間枯れずに残っていたと言われています。
アクロポリス
(都市国家で神域としての神殿を中心に構成される場所)


トロイア戦争で城壁を一人で完成させる


「ヘレナの略奪」
Juan de la Corte(17世紀前半)
トロイアとギリシャの戦い、トロイア戦争ではポセイドンは当初トロイアについていました。
ポセイドンはトロイアの王・ラオメドンのためにトライデント(三叉の鉾)の能力を駆使して固い城壁を作りました。
しかし、ラオメドンは報酬を払わず、両手を縛って売り飛ばすなどと脅してきたのに怒ったポセイドンは海の怪物をトロイアに送ったのです。
そして、この事件以降はポセイドンはギリシャ軍について戦いました。
トロイア戦争で戦士のやる気を取り戻す
トロイア戦争では、ポセイドンは最終的にギリシャ側について戦いました。
ギリシャ軍が劣勢になってやる気が落ちたときには、人間に化けて戦場に向かうとトライデント(三叉の鉾)で兵士の頭を撫でました。
すると兵士たちはやる気を取り戻し、再び戦いに向かったのでした。



ポセイドンは決断・勇気・力の象徴としても信仰されていたのです
トライデント(三叉の鉾)が現代作品に与える影響


トライデントは、現代のフィクションにおいて「水属性最強の武器」や「海を統べる王の象徴」として、数多くの作品に登場しています。
トライデント(三叉の鉾)が現代作品に与える影響
「水属性・海キャラ=三叉槍」というイメージの定着


ゲームやアニメにおいて、水や氷を操るキャラクターの武器といえばトライデント、というお約束を作り上げました。
- 『ファイナルファンタジー』シリーズ
最強クラスの槍武器として「トライデント」が登場し、水属性の弱点を持つ敵に特攻を持つことが多い - 『ドラゴンクエスト』シリーズ
「グラコスのヤリ」など海棲モンスターやボスが持つ武器のデザインは、ほぼ例外なくこの三叉の形状 - 『リトル・マーメイド』
海の王トリトンが持つ強大な力の象徴として、光り輝くトライデントが描かれている



強くて特徴的な形状なので、水属性の武器のシンボルとして有名です
潜水艦やミサイルの名称(SLBM)


トライデントの「海を支配する強力な武器」というイメージは、軍事兵器の名称にも採用されています。
アメリカ海軍の原子力潜水艦に搭載される弾道ミサイルは「トライデント・ミサイル」と名付けられており、現代においても「海から放たれる最強の破壊力」の代名詞となっています。



ギリシャ神話の中でもゼウスの雷霆(ケラウノス)にも匹敵する「災害級」の破壊力を持ったトライデントだからこそのネーミングですね
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自動車やブランドのロゴ


トライデントの「3つの先端」という形状はデザイン性が高く、ロゴマークのモチーフとしても人気です。
マセラティ(高級車)のエンブレムはポセイドンのトライデントそのもので、ボローニャのマジョレー広場にある「ネプチューン(ポセイドン)の噴水」に由来しています。



トライデントは武器としても、シンボルとしても現代社会で今でも深く広く愛されています
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